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2019.02.11

中等度~重度歯周炎に罹患していたYさんとの20年(前編)(歯根外部吸収)

 こんにちは、毎日寒いですね、なえぼ駅前歯科の大村です。
本日は三連休の最終日、朝からニュースでやっていましたが、最強寒波により関東の至る所で雪が降っており、
交通機関にも障害が出ているようです。
皆さん、くれぐれも滑ってけがをしないよう、足元には細心の注意を払って外出してくださいネ

北海道でも先日9日の早朝、十勝(足寄郡)の陸別町で-31.8℃を記録しましたし、札幌も8日には1日中-10℃を
下回るという40年ぶりの寒さとなっており、さっぽろ雪まつりで海外や本州から訪れた観光客も、きっと北海道の寒さを
実感されているのではないかと思います。本日いよいよ最終日。

昨日は、先日6/2(日)に開催される千歳JAL国際マラソンハーフにエントリーしましたので、早速スポーツジムにて
最近さぼっていたランニング&筋トレを行いました。

50才まではあまり衰えを感じなかった筋力も、50才を過ぎてから少しずつ衰えを感じるようになりました。
昔は10kgの米袋も左右の肩にそれぞれひょいひょいっと持ち上げて運んだものでしたが、最近は10kgでも重く感じる
ようになりました。年始には23才になる三男と久しぶりに腕相撲をしたところはじめて負けてしまいました 
 (尤も私は左利きですが)。

やはり常日頃から、ストレッチをする、筋トレをする、階段の上り下りをする(平地にくらべると登れなくなってきました~ )、
そしてジムや外で走ることを心掛けないと、これから10年以上先、健康な70才を迎えられないな~と思います。
今年は(今年こそ?)体をしっかり絞って走り込み、40代の頃のようにハーフを2時間くらいで走れるようにしたいと思います。

さて本日お話させていただく患者Yさん(初診時49才、女性)は、今から20年前、右上奥のブリッジが外れたとのことで
来院されました。
初診時のレントゲン写真です。

1999年初診時のレントゲン写真

右上奥の歯(7番)の下から親知らず(8番)が頭を出しそうになっており、7番の遠心頬側根の根尖(赤矢印)はすでに外部
吸収による歯根吸収を生じていました。

「将来的に外部吸収が進んでくると7番は保存できなくなりますが、下に8番がありますので、この歯をうまく利用することが
できます」とお伝えした上で、翌月ブリッジを装着しました。その時はここだけの治療を希望されていましたので、歯肉に
腫脹を認めた左上臼歯部だけレントゲン写真を撮影し、歯周病の現状を伝えました。

それから2年後。

2001年再来時

今度は左上の前歯が取れたとのことで来院、取れたのは2回目とのこと。根管内には虫歯を認め、金属ポストの適合も
ルーズでしたので再製を勧めました。
またその際、歯周ポケットの深い左右下奥のレントゲン写真も撮影し、再び歯周病の現状を説明しましたが、自覚症状も
なかったため上の前歯の治療のみで治療は終了してしまいました。

その後はしばらく来院がありませんでしたが、2010年、前回来院から10年ぶりに左上奥の歯ぐきが腫れて痛いとの
ことで来院されました。

2010年再来時レントゲン写真

全顎レントゲン撮影を行ったところ、臼歯部を中心に中等度以上の歯周炎を認めましたので、現状と歯周治療の
必要性をお伝えしましたが、その時も1回のみでの来院で中断となってしまいました。

そこから更に5年後の2015年の来院時には、奥歯でしっかりものが噛めなくなるまでに歯周病は進行しており、
ご自身の歯の将来に不安を感じて歯周治療を希望されました。
下が再来時のレントゲン写真と歯周ポケット検査7mm以上(歯周病が重度)の部位です。

2015年再来時レントゲン写真

初診から16年が経過し、49才であったYさんは65才となり、歯周病もかなり進行していました。
右下最後臼歯(向かって左下の一番奥の歯)と左上最後臼歯は噛むと垂直的にかなり動揺しており、全体に9~10mm
と深い歯周ポケットを認めました。また左上の奥2歯はぐるっとⅢ度の根分岐部病変を認め、この3歯は保存が危ぶまれる
状態でした。

またYさんは関節リウマチの治療を受けており、主治医に照会したところ、できるだけ休薬は避けてほしいとの要請が
ありましたので、臼歯部は重度の歯周炎でしたが、歯周外科処置は行わず、歯周基本治療のみにて対応していこうと
考えました。

16年前にセットした右上奥のブリッジは、49才から65才までの16年間維持されていましたが、7番の外部吸収は進み、
8番(親知らず)は写真にありますように挺出し、外側に歯が出てきておりました。

右上奥、ブリッジセット16年後

さてその後どのように治療が行われ、初診から20年後の現在、Yさんの口腔内はどのようになっているのか。
この続きはまた次回にさせていただきたいと思います。

本日の札幌は久しぶりに穏やかな冬晴れの天気ですので、これから午後はぶらっ~と出かけようと思っています
(いつも仕事に追われているので  、仕事が溜まっていないのは久し振りかな~)。
あ、今日は北海道歯科医師会館で北海道歯科産業さんのデンタルショーがある日でした
常日頃お世話になっている営業の I さんも1日仕事で出ていると言っていたので、まずは顔を出さなければ(笑)。


Posted at 11:05 | 歯周治療 | COM(0) | TB(0) |
2019.02.07

歯周治療を希望して来院されたNさんとの10年

 毎日本当に雪が降りますね。
皆様いかがお過ごしですか、なえぼ駅前歯科の大村です。
今週4日(月)からさっぽろ雪まつりが開催されていますが、今年は記念すべき第70回ということで、1950年の第1回
(当時第1回とは言いませんでした)、地元の中、高校生が雪像を大通公園に設置したことをきっかけとして始まった
ということがニュースでも紹介されていました。

1955年から自衛隊が参加して大規模な雪像作りとなり、1960年くらいからは本州の観光客も増えて、札幌の雪まつりは
日本の雪まつりへと発展していったそうです(さっぽろ雪まつり公式サイト「さっぽろ雪まつりの歴史」から一部引用)。

私が生まれたのもちょうどこの頃で、自衛官であった父(東京出身)が富士学校からの最初の赴任地として北海道を希望
した理由の一つが「雪まつりの雪像を作りたかったから」??というのを聞いたこともあり、当時札幌の雪まつりで雪像を
作るというのは、本州の自衛官にとっては憧れであったようです(ちなみに父は札幌には赴任できず名寄となり(笑)、
私は名寄で出生しました)。

大坂なおみ選手の雪像

      大坂なおみ選手の雪像

話は変わりますが、先日、今年初めての「ランチ会」を行いました。
今回の場所は手堅く?、JRタワー35階のスカイレストラン「丹頂」で、和食の二段弁当をいただいてきました~。
以前にもこのブログで度々ご紹介していますが、当院では2ヵ月に1回「ランチ会」を行っており、当日は朝9:30から
2時間だけ診療を行った後、皆で食事に出かけ、病院に帰ってからは17:00までお休みタイムとしています
(尤も私はこの時間、普段から溜まりがちな仕事を一気にやっていますが、笑)。

恒例となった自撮り写真(前回はスタッフの I さんが自前の自撮り棒を持参していました、笑)、お品書きと実際に
いただいた料理です。

2月のランチ会

現在糖質オフを心掛けている私ですが、ヘルシーなメニューにもかかわらず、お代わり自由な牛蒡の炊き込みご飯を
追加で食べてしまいました 次回は4月の予定で、今度はどのようなお店を探してくるのか密かに楽しみにしています。

今年は(近場でも良いので)社員旅行に行きたいな~とスタッフのFさんが言っておりますので(笑)、6月22日(土)、23(日)の
日本臨床歯周病学会年次大会(於札幌コンベンションセンター)後の反省会も兼ねて 、計画できたらと思っているところです。

さて本日は歯ぐきが弱く、歯周病治療を希望とのことで、2009年1月に来院されたNさんのお話をさせていただきます。
これまで通院していた歯科医院もあったそうですが、娘婿さんの「ここがお勧め」という当院の評判を聞いて来たとのことでした。

Nさんの初診時のレントゲンと口腔内写真です。

初診時レントゲン

初診時口腔内

口腔内はプラークの付着もほとんどなく、1日2回、1回15分くらいブラッシングを行っているとのことでしたが、
右上、左上、左下の奥歯はかなり歯周病が進行しており、右下奥も延長ブリッジの支台歯である奥の歯(5番)に垂直性の
骨吸収を認めました。

右上、左上、左下奥の初診時と治療終了時の状態です。

初診時と治療終了時の状態

右下奥の延長ブリッジは5番にかかる負担が大きいと判断し、6部はインプラントで対応しました。
また前歯部は右下1番が唇側に出ていて、右上2①(失活歯)を突き上げていましたので、 矯正治療により前歯部のバランス
を整え、歯間部の隙間を閉鎖させました。

初診から10年後(治療終了から9年後)の現在です。

初診から10年後の現在

現在の口腔内

現在の口腔内(臼歯部舌側)

補綴処置は一部初診時のままのところもありますが、再治療なく経過しています。
初診時歯周病が重度であった右上、左上、左下の奥歯は、77才という年齢によるブラッシングレベルの低下や唾液の量、
質の変化により、初診時と比べるとややプラークの付着を認めますが、概ねメインテナンスを継続されたことで、現在は
健康な歯周組織を維持しています。
メインテナンス期間中の9年間には、体調が不良の時期やそれに伴いブラッシング時間が短くなったり、メインテナンスの
空白期もあって歯周病が悪化した時期もあり、最終的には再度歯周外科処置も行い歯肉縁下のプラークコントロールの
徹底に努めました。
矯正治療を行った前歯部は1年程リテーナーを装着していましたが、現在少し後戻りが見られます。

前回のメインテナンス時、初診から10年問題なく経過していることをお話ししたところ、思いがけずNさんから「先生の
ところに来て良かった。歯がしっかり残っているのが嬉しい」とお褒めの言葉をいただきましたが、私の方こそいろいろ
大変な時期にずっと私を信頼して通ってくださり、本当に感謝しております。

ご旅行が大変お好きなNさんですので、旅先での四季折々の美しい景色を眺めながら、地元の美味しい食材をご自分の
歯でしっかり食べ歩いていただき、いつまでもお元気に来院して下さることを願っております。

Nさんの治療は一見すると地味な治療で、歯周治療も臼歯部はⅢ度の根分岐部病変を抱えてはいたものの、普通に歯周
外科処置にて対応したケースですが、予後の難しい歯を保存して10年トラブルなく維持(まだ治療終了から10年経っては
いませんが ) というのは私のまず最初の目標でもあります。

そこから先、15年、20年という長期の維持は、単に見立てや治療技術だけでなく、治療終了後の炎症と力の適切な
コントロールの継続(そこには患者さん自身の個体差も勿論あると思います)、そしてその継続は医患双方が健康で
互いの信頼関係が続いていかないと成立しません。

最終的にはそこに歯科医療の本質があり、やりがいがあって、「患者さんと長くかかわる歯科医療の実践」というのは
私の最終目標と言えるかもしれませんし、究極の目標は親子二代で診るということになるのかもしれません

最後はとりとめのない話になってしまいましたが、次回は引き続き、中等度~重度の歯周炎患者さんのケースをお話
させていただく予定ですので、またよろしくお付き合いください。













Posted at 23:13 | 歯周治療 | COM(0) | TB(0) |
2019.01.27

複数歯に歯根破折を認めた咬合力の強い欠損歯列の一例(続編)

 皆様いかがお過ごしでしょうか、なえぼ駅前歯科の大村です。
昨日、大阪なおみ選手の話をブログでアップしましたが、先ほど男子全豪オープン決勝が終了し、ジョコビッチが
ナダルに3-0の圧勝で、7度目の優勝を達成しました
正直、フェデラーに勝ったチチパスをして、「全く次元の違うテニスだと感じた」と言わしめたナダルに、これだけの
圧勝をするとは全く想像していませんでした~。ジョコは異次元の人間サイボーグでしたね~。

さて、本日はテニスの話ではなく(笑)、本題である1月5日にアップした症例の治療経過と現在の状態をお話しさせて
いただきます。

Sさんは初診時、咬合力、咬合状態のいずれにも問題を抱え、更に上顎は残存歯のほとんどがフェルールのない
失活歯(歯肉縁上の健全歯質がほとんどない神経を取った歯)であり、更に4歯に歯根破折を認めました。
初診時Sさんは入れ歯ではなく固定性のブリッジを希望されていましたので、もしこの4歯を抜歯したら、右上、左上、
右下はそれぞれ2本のインプラントが必要となり、更に上の前歯で歯根破折を生じると3本、計9本のインプラントが
必要という事態になってしまいます。

歯根破折歯を抜歯した場合の治療の見立て(予測)

          歯根破折歯(4歯)を抜歯した場合の治療の見立てと予測

初診時の残存歯の状態

                    初診時の残存歯の状態

さて、できるだけご自分の歯を残してほしいというSさんの希望に沿いつつ、経済的なご負担も大きなインプラントは
できれば最小限の活用に止めたい、更には10年というスパンで長期維持可能な治療をと考えました。
以下は個々の破折歯の接着保存治療の状態です。

歯根破折歯の接着保存治療

左上6 、右下7は口腔内接着法、右上4、右下5 は接着再植法でそれぞれ接着保存治療を行いました(右下5の
遠心はやや幅のある骨欠損であったため、トレフィンバーにて自家骨を採取し、エムドゲイン、Bio-ossという異種骨
も使った再生療法を併用)。

更に歯根破折を防止するため、i-TFCファイバーシステム、スーパーボンドを用いたi-TFC根築1回法と歯冠長延長術
を行いました。

その上で上顎は予後の難しい歯の経過を追いながら、仮歯で8か月間咬合力のコントロール、特に咀嚼力のコント
ロールを行いました。これまで咬合力のコントロールに関しては、その都度口頭で伝えていましたが、昨年小冊子に
まとめて、咬合力のコントロールを必要とする患者さんに渡す試みを始めました。 勉強会を重ねて、スタッフからも
多くの患者さんにアプローチしてもらえるようにしたいというのが今年の目標の一つです。

咬合力の必要な患者様へ ①
咬合力の必要な患者様へ ②
咬合力の必要な患者様へ ③
咬合力の必要な患者様へ ④

Sさんにも当院で作成した小冊子(内容は一部著名な歯科医師の専門誌、論文等からも引用)をお渡しし、まずは
咬合力のコントロールということを 具体的に知っていただいた上で、咀嚼や噛みしめの気づきを促すことを行いました。

その過程で、以下の気づきがありました(一部抜粋)。
1.咀嚼時、強く噛んでいることがわかった。噛み切った後も強く噛んでいることをご主人様にお話ししたところ、
  そういう習慣的行為は自分だけだと悟ったそうです。
2.早食いでガシガシ噛んでしまっている。
3.日中自己観察をしてみると、無意識のうちに強く噛みしめていることがあることに気づく。

治療時間を確保し、咬合力という話を折に触れて繰り返し行うことが、 患者さんの意識を少しずつ向上させていく
ものと考えています。

歯のないところにインプラントを入れますと、それまで噛めなかったところが噛めるようになりますので、患者さん
本来の咬合力が戻った結果、インプラントは大丈夫でも、今度は別な歯が歯根破折を起こしてインプラントに置き
換わっていきます。

そうやって次々とご自身の歯がインプラントに置き換わっていった結果、最初は左下奥2本の欠損部にインプラントを
入れただけであったものが、10年足らずの間に、上下左右の前歯、奥歯が7本次々と抜歯、すべてインプラントとなって
しまい、今後も更に歯がなくなっていくのではないかと大きな不安を抱え、ネットをご覧になって当院に転院されてきた
患者さんも実際におられます。

当院でもインプラントは勿論行っておりますし、様々なテクニックを用いて難しい顎堤にも対応していますが、
できるだけご自身の歯を保存し、またご自身の歯がインプラントに置き換わることのないよう、i-TFC根築1回法、
歯冠長延長術、矯正的挺出等によるフェルールの確保、天然歯による必要な連結固定、そして一番大切な咬合力の
コントロールを厳密なプラークコントロールと共に、医患協同で行っております。

破折歯(右下7を除く3歯)の治療経過

              破折歯(右下7を除く3歯)の治療経過



上顎フルブリッジの型取り時

インプラントは上記の治療を行った上で、歯を守ることができるよう、受圧・加圧のバランスも考え、控えめに必要
最小限の活用を心掛けています。

治療終了時のレントゲン写真

治療終了時(最終的に右下7,5の歯根破折歯を守るため、6部に1本だけインプラントを埋入)

Sさんの咀嚼力のコントロールもまだまだ不十分で、これからのメインテナンスの中で粘り強く対応していかなければ
ならないと考えていますし、治療終了時の状態ができるだけ長期に維持されることは、医療側にとっても患者さんに
とっても幸せにつながりますので、Sさんのような咬合力の強い患者さんはできるだけ力のコントロールを行っていく
ことが何よりも必要だと感じています。

初診時歯根破折を起こしていた4歯のうち、3歯は術後の経過も改善度も良好ですが、左上6だけは初診時、近遠心的
な破折線に沿ってⅢ度の根分岐部病変を認めていたため改善度には限界があり、長期維持には正直不安はあります。

しかしながら、今左上6を抜歯し、左上奥にインプラントによるブリッジを装着することが最善かと言えば、Sさんも
そのような治療を望まれているわけではなく、私の立場からみてもはなはだ疑問です。
上顎のフルブリッジは将来この歯の保存が危うくなってきても、この箇所だけをインプラントにより再治療することが
可能な設計にしていますし、未だ咬合力のコントロールが不十分な今、インプラントにすることは、左下奥の加圧要素を
増すだけで却って危険だと考えています。
勿論、Sさんにもそのことは伝えた上で、炎症と咬合力のコントロールを粘り強く継続して行っていくつもりです。

治療終了時の口腔内

                       治療終了時の口腔内

Sさん、遠く日高からいつもご来院いただき本当にありがとうございます。なかなか難易度の高い歯、口腔内でしたが、
今の私の臨床経験、治療技術で、何とかSさんの希望に近い治療ができたのではないかと思います。
今後は、ここからのメインテナンスが長い道のりではありますが、できるだけ現状を長期に維持していけるよう
私ができることは当然ですが精一杯行っていきますので、メインテナンスの継続、力のコントロールの継続を
今後も引き続き、どうぞよろしくお願い致します 




2019.01.26

大阪なおみ選手、全豪優勝congratulation~!

 毎日寒いですね~、皆様いかがお過ごしですか、なえぼ駅前歯科の大村です。

先週19日(土)は、勤務医時代から27年間在籍している札幌臨床歯科研究会の例会の日で、私は演者でした。
研究会の会員が持ち回りで毎月1回、土曜日の夜に2名ずつ会員発表を行っており、概ね1年半に1回発表が回って
きます。当日自院は休診だったのですが、朝、娘をセンター試験の会場である北大に送ったその足で中央区の歯科
医院さんに向かい、インプラント骨造成のオペに付き、午後からは南区の歯科医院さんでインプラント埋入オペを行い、
その足で例会の発表会場に向かい発表を行いました。その後いつも通りの懇親会に参加して帰宅は12時少し前、
いつにも増して密度の非常に濃い1日でした~。

今週は少しだけ時間に余裕ができたので、21日(月)から早速前回のブログの続きを書き始めたのですが、その後
1週間経った今日になってもまだ8行目から全く進んでいません

ところで先ほど全豪オープンテニス女子決勝で大阪なおみ選手が優勝し、日本人で初めての世界ランキング1位が
確定しました~

実はちょっと自慢話になるのですが 、私は大学時代硬式テニス部 に所属していたので少々テニスオタクなの
ですが、大阪なおみ選手は今から6年前、まだ日本では一般的には無名で、WTAに参加し始めた頃の、ランキング
圏外?400位台くらい?(彼女の上位に10名以上の日本人選手がいました)だった15才の頃から、将来ベストテンに
入るかもしれない逸材と思って密かに注目してきました。

グランドスラムに出場し始めた頃は、やはり私の目に狂いはなかった!と思っていたのですが、昨年からの大活躍は
私の想像をはるかに上回るもので (°_°)、 あの錦織選手でさえ優勝したことがないマスターズ(WTAではプレミア
マンダトリーと言うようです)で優勝し(日本人女子では初)、その後、あれよあれよという間に全米、全豪優勝ですから、
本当に恐れ入ります

現在、世界の女子はいまだセリーナが活躍しているように、全盛期のセリーナや昔のナブラチロワ、伊達選手の頃の
グラフのような突出した選手のいない群雄割拠ですので、まだ21才の大阪選手はこれからまだまだグランドスラムで
優勝を重ねそうな気がします(10回くらいシングルスで優勝しないかな~)。

一方、男子は歴代最強のフェデラーがまだ健在で、更にその上にナダル、ジョコビッチという化け物Big3が現在突出
しており(過去40年でおそらく最強レベル)、ここを勝ち抜いてグランドスラムで優勝するのは、あの錦織選手でも
本当に至難の業です 明日の全豪決勝のナダル×ジョコ戦もお互いケガのないよう、死力を尽くした歴史に残る
好ゲームを期待しています(むか~し、夜中にマッケンローとボルグのウィンブルドン決勝を見たよな~)。

錦織選手には、体格のハンデキャップを更なる技術力アップ+肉体強化 で何とかカバーして、アガシ(アガシは
史上初のキャリアゴールデンスラム達成者。 * ゴールデンスラム達成とはグランドスラム(ウインブルドン、全米、
全仏、全豪)をすべて優勝+オリンピックゴールドメダリスト)のように、グランドスラム優勝を果たしてほしいと
願っています(錦織選手のようなすばらしいテニスセンスの持ち主は、今後も出てこないように思うからです。
本当にあのタッチは半端ない!)。

しつこく余談ですが(笑)、アガシはブルックシールズ(太眉美人でしたね~!)と離婚後、グラフ(史上唯一の年間
ゴールデンスラム達成者)と再婚しており、子供は当然超の付くサラブレットなのですが、残念ながらテニス選手には
なっていません。

本日は冒頭テニスの話で引っぱってしまったので ここまでとさせていただき(マニアックな話ばかりでスイマセン)、
次回あらためて、前回のブログの続きをアップしたいと思います(明日の男子決勝の話も、笑)。

Posted at 23:49 | 日常 | COM(0) | TB(0) |
2019.01.05

複数歯に歯根破折を認めた咬合力の強い欠損歯列の一例

 新年あけましておめでとうございます11733913.gif 、なえぼ駅前歯科の大村です 21777023.gif

皆様、年末年始はいかがお過ごしでしたでしょうか。
正月も休まずお仕事をされていた方、また4日が仕事始めだった方も多くおられると思います。
私は、診療自体は7日からなのですが、年越しの残務が山積みで昨日から病院に出勤しています。

お正月に食べ過ぎた分、昨日からまた食事制限とジムでのランニングを開始、昨日はいきつけの
「ステラはり・灸整骨院」にも行ってきました。少しずつ正月のオフモードから仕事モードに切り替えているところです。
今年も「なえぼほのぼのブログ」で、皆様よろしくお付き合いください。

さて本日は、2019年新春最初の症例として、昨年暮れに2年がかりでようやく治療が終了したSさんのお話を
させていただきます。遠路日高から、自分の歯がどんどんなくなってしまうのではないかという切実な思いを持って
来院されたSさんのお気持ちを汲んで、4本の破折歯や予後の難しい残根上の失活歯をどうするか、時間をかけて
よく考えながら治療を進めた症例です。

正直なところ、10年前の臨床レベルでは同様の治療はできませんでした。これも患者さんとの巡り合わせであり、
ご縁なのではないかと思います。

こうやってブログを書くために、自分が行ってきた治療をカルテ等の資料を見ながら検証するという作業は、
大変手間のかかる作業ではあるのですが、時間をかけることであらためていろいろなことに気づかされます。

頭の中に患者さんお一人おひとりの口腔内、歯の状態や治療内容等がすべてインプットされていると思っていても、
実際に検証してみると間違って記憶していたり、思い込んでいたりすることもあります(Sさんのケースでも一つ
大きな思い込みがありました  、後述)。

また、まとめた治療内容を研究会や学会等で発表することで、気づかなかったことに気づかされたり、
客観的なあるいは別な視点からの貴重なご意見をいただくこともあり、それらはすべてその患者さんに、私自身に、
そして次の患者さんに活かされていきます。

Sさんは、2016年当時、「今年に入ってからあっちこっちが外れ、地元に通っていたがすぐ抜歯されてしまう」
とのことで、ネットで調べて当院に来院されました。
当院に来院される前、札幌市内の別な歯科医院に行かれたそうですが、治療が難しいと言われたとのことでした。
頻繁に仮歯が外れるのでまず何とかしてほしい、歯はできるだけ残してほしい、固定性のブリッジを希望とのことでした。

初診時のレントゲン写真です。

初診時のレントゲン写真

画面向かって左下の歯式の見方ですが、
右上 左上 で(向かって左上が実際のお口の中では右上)、前から順番に1、2、3番となっています。
右下 左下
1、2は前歯、3は犬歯、4、5は小臼歯、6、7は大臼歯です。
赤丸のところはレントゲン等の診査で、歯根破折もしくは歯根破折の疑いがある歯です。

次に初診時の口腔内ですが、噛み合わせが低くなっていることによる上の前歯の突き上げと咬合力(大まかに、
歯ぎしり、噛みしめ(これらはブラキシズム)の力、咀嚼力の総称)により、仮歯の破損、脱離を繰り返していました。

初診時の口腔内

また残存歯は失活歯(神経を取った歯)が多く、いずれも残存歯質が脆弱でフェルール(歯肉縁上の歯質)がなく、
歯根破折や穿孔を伴っている歯を多く認めました。

1歯ごとの状態

ひとまず仮歯の脱離が喫緊の問題であったため咬合挙上を行い、上顎前歯部の根管治療と高さが確保されたi-TFCファイバー
コアを装着しました。

治療の最初のステップ

                       治療のファーストステップ

歯根破折を起こしている歯は一般的には抜歯されるか、消極的な経過観察(持たせられるところまで持たせる)となりますが、
Sさんの場合、そのような治療を行うと、上顎は大掛かりなインプラントもしくは総義歯への道へと進みそうな状況でした。

歯根破折歯を抜歯した場合の治療の見立て(予測)

             歯根破折歯を抜歯した場合の治療の見立て(予測)

遠方からの来院、難易度の高い口腔内、歯をできるだけ残して固定性のブリッジでという患者さんのご希望に沿いつつ
結果を求められたら、札幌市内の別な歯科医院さんのように、治療は難しいとやんわり断られるのが普通だと思います
(むしろ良心的な歯科医院さんだと思います)。

さて、どのようにして治療を進めていったか。
治療の経過と結果、現在の状況は、次回の「なえぼほのぼのブログ」であらためてご報告させていただくこととし、本日は
ここまでとさせていただきます。