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2019.01.05

複数歯に歯根破折を認めた咬合力の強い欠損歯列の一例

 新年あけましておめでとうございます11733913.gif 、なえぼ駅前歯科の大村です 21777023.gif

皆様、年末年始はいかがお過ごしでしたでしょうか。
正月も休まずお仕事をされていた方、また4日が仕事始めだった方も多くおられると思います。
私は、診療自体は7日からなのですが、年越しの残務が山積みで昨日から病院に出勤しています。

お正月に食べ過ぎた分、昨日からまた食事制限とジムでのランニングを開始、昨日はいきつけの
「ステラはり・灸整骨院」にも行ってきました。少しずつ正月のオフモードから仕事モードに切り替えているところです。
今年も「なえぼほのぼのブログ」で、皆様よろしくお付き合いください。

さて本日は、2019年新春最初の症例として、昨年暮れに2年がかりでようやく治療が終了したSさんのお話を
させていただきます。遠路日高から、自分の歯がどんどんなくなってしまうのではないかという切実な思いを持って
来院されたSさんのお気持ちを汲んで、4本の破折歯や予後の難しい残根上の失活歯をどうするか、時間をかけて
よく考えながら治療を進めた症例です。

正直なところ、10年前の臨床レベルでは同様の治療はできませんでした。これも患者さんとの巡り合わせであり、
ご縁なのではないかと思います。

こうやってブログを書くために、自分が行ってきた治療をカルテ等の資料を見ながら検証するという作業は、
大変手間のかかる作業ではあるのですが、時間をかけることであらためていろいろなことに気づかされます。

頭の中に患者さんお一人おひとりの口腔内、歯の状態や治療内容等がすべてインプットされていると思っていても、
実際に検証してみると間違って記憶していたり、思い込んでいたりすることもあります(Sさんのケースでも一つ
大きな思い込みがありました  、後述)。

また、まとめた治療内容を研究会や学会等で発表することで、気づかなかったことに気づかされたり、
客観的なあるいは別な視点からの貴重なご意見をいただくこともあり、それらはすべてその患者さんに、私自身に、
そして次の患者さんに活かされていきます。

Sさんは、2016年当時、「今年に入ってからあっちこっちが外れ、地元に通っていたがすぐ抜歯されてしまう」
とのことで、ネットで調べて当院に来院されました。
当院に来院される前、札幌市内の別な歯科医院に行かれたそうですが、治療が難しいと言われたとのことでした。
頻繁に仮歯が外れるのでまず何とかしてほしい、歯はできるだけ残してほしい、固定性のブリッジを希望とのことでした。

初診時のレントゲン写真です。

初診時のレントゲン写真

画面向かって左下の歯式の見方ですが、
右上 左上 で(向かって左上が実際のお口の中では右上)、前から順番に1、2、3番となっています。
右下 左下
1、2は前歯、3は犬歯、4、5は小臼歯、6、7は大臼歯です。
赤丸のところはレントゲン等の診査で、歯根破折もしくは歯根破折の疑いがある歯です。

次に初診時の口腔内ですが、噛み合わせが低くなっていることによる上の前歯の突き上げと咬合力(大まかに、
歯ぎしり、噛みしめ(これらはブラキシズム)の力、咀嚼力の総称)により、仮歯の破損、脱離を繰り返していました。

初診時の口腔内

また残存歯は失活歯(神経を取った歯)が多く、いずれも残存歯質が脆弱でフェルール(歯肉縁上の歯質)がなく、
歯根破折や穿孔を伴っている歯を多く認めました。

1歯ごとの状態

ひとまず仮歯の脱離が喫緊の問題であったため咬合挙上を行い、上顎前歯部の根管治療と高さが確保されたi-TFCファイバー
コアを装着しました。

治療の最初のステップ

                       治療のファーストステップ

歯根破折を起こしている歯は一般的には抜歯されるか、消極的な経過観察(持たせられるところまで持たせる)となりますが、
Sさんの場合、そのような治療を行うと、上顎は大掛かりなインプラントもしくは総義歯への道へと進みそうな状況でした。

歯根破折歯を抜歯した場合の治療の見立て(予測)

             歯根破折歯を抜歯した場合の治療の見立て(予測)

遠方からの来院、難易度の高い口腔内、歯をできるだけ残して固定性のブリッジでという患者さんのご希望に沿いつつ
結果を求められたら、札幌市内の別な歯科医院さんのように、治療は難しいとやんわり断られるのが普通だと思います
(むしろ良心的な歯科医院さんだと思います)。

さて、どのようにして治療を進めていったか。
治療の経過と結果、現在の状況は、次回の「なえぼほのぼのブログ」であらためてご報告させていただくこととし、本日は
ここまでとさせていただきます。
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