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2018.09.16

予後の難しい歯を多く抱えたKさんの治療例

 胆振東部地震から10日余りが経ちその後も余震が続く今日この頃ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか、
なえぼ駅前歯科の大村です。

今回の地震は札幌でも震度5強(東区元町は6弱)を記録し、私もこれまで経験したことのない大きな揺れでした。
幸い病院、自宅とも大きな被害はありませんでしたが、震源地の厚真町を中心に40名の方がお亡くなりになられました。
ご冥福をお祈りすると共に、被害に遭われた皆様の一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。

話は変わりますが、我々医療従事者は年に1回の健康診断が義務付けられており、今月初めにスタッフ全員で
慈昂会本部の福住内科クリニックに健診に行ってきました。スタッフは皆至って健康との結果だったようですが、
私は血液検査の結果HbA1Cが何と5.7を超えており、糖尿病予備軍の仲間入りをしていました 

糖尿病は戦後間もない頃からこの半世紀で、患者数がおよそ40倍以上に激増しており、日本人の40歳以上の
男性2人に1人は糖尿病か糖尿病予備軍と言われていますが(女性は3人に1人)、どこか他人事として捉えていました。

糖尿病は万病のもと、一旦罹ってしまうと生涯に渡って食事制限をし続けなければなりません。
やっぱり健康で長生きしたいし、歳を取ってもおいしいものは食べたい!ということで、「糖尿病男さん」という有難くない
ネーミングを妻から頂戴し 

1.腹八分目(時に六分目)、野菜中心
2.夜はできるだけ早く食べて寝る(いつも食事は10時過ぎになってしまうので)
3.休みの時だけでなく平日ももう少し走る(歩くでも良い)
4.夕食後、しっかり歯を磨いた後は間食をとらない!
  仕事で疲れる→運動しない、食べてしまう→ますます疲れる という負のスパイラルから抜け出す
5.体重をあと5~10kg減らしてメタボ解消!(このブログを始めた頃から言っているのですが

70kgを60kg前半、BMLを25未満に!   をいよいよ真剣に考えています。

今日も昼からゆっくり3時間ほど、豊平川の河川敷をジョギングしてきました。
10月7日は札幌マラソン(ハーフ出場)もあるので、それをまずは目標に(と言ってもあと3週間なのですが)
頑張りたいと思います。

ということで前置きが長くなりましたが、本日は先週メインテナンス来院されたKさんのお話をさせていただきます。
Kさんは年齢もまだまだ若く40代の男性なのですが、予後の難しい歯(治療困難で抜歯もしくは抜歯予備軍となり得る歯)、
即ち、歯根破折、大きな根尖病変(歯根吸収)、穿孔(パーホレーション)、重度歯周炎(根分岐部病変)、残存歯質が少ない
などの問題がある歯を多く抱えていました。

初診は平成28年10月、右上前歯が一昨日から腫れて痛みがあるとのことで来院されました。
当初はここだけの治療を希望されていました。
初診時の右上前歯のレントゲン写真です。

初診時右上2

太い金属ポストが装着されており、残存歯質が少なく歯根破折を起こしていました。破折線周囲の歯周ポケットは
ぐるりと根尖に至っており、陳旧例のため破折線部の接着保存治療を行ってもすでに周囲の歯根膜が壊死しており
回復が難しいケースと判断、やむなく抜歯させていただきました 

ブリッジで行う場合、3歯の負担を両隣接の2歯で支えることになりますが、(向かって)右隣の歯にも太い金属ポストが
装着されており、歯根破折の連鎖を防ぐため i-TFCファイバーコアをご提案したところ治療を希望されました。

初診時の全顎レントゲン写真です。

 初診時全顎レントゲン写真

左の奥歯ばかりで4ヵ所金属の詰め物が脱離していることから左側偏咀嚼傾向が伺われ、右上奥の欠損(右上7、5欠損)
を放置しているため右側ではしっかり噛めておらず、左側臼歯部に大きな負担がかかっていることが想像されました。
黄字(△)の6歯は前述した予後の難しい歯で、後ほど少し詳しくお話させていただきますが、様々な問題を抱えていました。
このような歯は、一旦手を付けられてもすぐに抜歯を宣告されてしまったり、消極的な経過観察(持たせるところまで
持たせる)の末抜歯されたり、あるいは不十分な治療ですぐにトラブル→抜歯宣告となったりすることが、残念ながら
往々にしてあります。
当院にはそのような患者さんがHPやこのブログをご覧になられ、セカンドオピニオンや歯の保存を希望して来院
されています。Kさんのお口の中にはそのような歯が6歯ありました。

初診時の口腔内写真です。

初診時口腔内写真

全体にプラークや歯石の付着も多く見られ、歯のみならず歯ぐきの治療(歯周病治療)も必要と思われました。
また咬合力に関しては、前述した左側偏咀嚼傾向と犬歯、前歯の咬耗状態から夜間のブラキシズムを(少し歯ぎしりが
あるのではないかと)疑いました。

歯周病治療を進めながら、予後の難しい歯の治療を進めていきました。
左上奥(左上6)の治療経過です。

左上奥(6)の治療経過

次に右上奥の治療経過です。

右上6の治療経過

この歯は普通は抜歯されている(もしくは消極的経過観察)と思われますが、歯周病、穿孔部、破折線部、フェルールの
すべての問題をひとつずつ丁寧に診査、診断し、適切に処置した結果、短期間ではありますが、おそらく破折に由来して
いたであろう口蓋根周囲の骨透過像の改善と骨の平坦化、歯周ポケットの改善を認めております。

次に右上4の治療経過です。

右上4の治療経過

右上4は歯根破折でしたが、根尖病変と破折リーマーの残存も認めましたので、再植時に両方の処置を行いました。

次は右下6、7の治療経過です。

右下奥(76)の治療経過

このあたりはできるだけ初診時の診査、診断を正確に行い、単に外科処置のテクニックだけでなく、治療方針、治療手順
を誤りなく見立てることが要求されます。

治療終了時のレントゲン写真と口腔内写真です。

治療終了時

治療終了時口腔内写真


右下奥の舌側の歯肉などはまだまだブラッシングに改善の余地があるものの、初診時の口腔内と比べると
患者さんのブラッシングに対する意欲、かける時間はかなり良くなっていると思います。

セラミックが装着されていた左上2は太い金属コアを除去せず歯根端切除術のみを行い、同じく左上1もひとまず
経過観察としました。
初診時抜歯となった右上2は右下3と咬合接触するガイド歯であったことが歯根破折を起こした原因の一つと考えており、
左上1、2よりも歯根破折のリスクが高い歯であったと考えています。
現在の左上2の状態です(歯根端切除後5ヵ月、治療終了時は同1ヵ月)。
根尖部の透過像はほぼ改善しています。

左上2の現在

夜間のナイトガードはKさんが治療を希望されたため、現在作製して使っていただいており、夜間ブラキシズムの診断も
兼ねて装着状況を経過観察中です。
また右上奥の残存歯はどちらも歯根破折(接着保存治療済)を伴っていたためブリッジにはせず、欠損している5部には
インプラントを提案中です。

仕事柄転勤の多いKさんですが、近い将来転勤があった場合でも転勤先の良いかかりつけ歯科医をご紹介し、
今回治療した歯をできるだけ長く維持していただきたいと思います。そしていずれ札幌に戻ってこられた時、当院をKさん
のアンカー(船の錨→最後のかかりつけ歯科医院)にしていただけるよう、これからもスタッフ一同、あらゆる面で日々
研鑽、努力する所存です。

Kさん、今後ともどうぞ末永くよろしくお願い致します 












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