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2018.04.25

「アンカーになりたい」~日本臨床歯周病学会北海道支部教育研修会に参加して~

 こんにちは、札幌もようやく春の訪れを実感できる今日この頃ですが皆様いかがお過ごしでしょうか、
なえぼ駅前歯科の大村です。

先週21日(土)、22(日)の両日、北海道大学歯学部において、日本臨床歯周病学会北海道支部
春季教育研修会が行われました。それに併設して歯科衛生士さん向けにCEC(Continuing Education Course)
教育講演&ハンズオンセミナーも行われ、初日のCEC教育講演は私とスタッフ全員で聴講し、
2日目私は学会の教育講演を聴講、スタッフは終日ハンズオン実習セミナーを受講しました。

初日の教育講演は講師が日本の第一線で活躍されている歯科衛生士さんでしたので、同じ歯科衛生士として
どのような話をされるのか、私も歯周病治療を自院や他院で教える立場の人間として興味がありました。
講演されたお二人の講師は私よりも歯周病治療に長く携わっている臨床経験30~40年の大ベテランで、
スライドの内容も症例も語る言葉も大変説得力があり、私自身様々な臨床経験を重ね、今大切に考え実践
していることが多く語られていました。スタッフも私と同じような感想を持ったようです。

失敗談も交えながら同じ目線で自分の実体験を語ることにより聴き手の共感を引き出し、更にセミナーに参加
している歯科衛生士さんに向けて、明日からのモチベーションになるような力強いメッセージを送るプレゼン力は
なかなかのものでした。

-初日の教育講演の骨子(私見)-
「歯は財産」、健康で長生きするために口腔の健康は大切
治療の繰り返しは歯を失う→治療の結果を長期に維持する(結果を出す)
我々歯科医療に携わる人間に必要なスキルは、
ハードスキル・・・知識を形にして使いこなす医療技術
ソフトスキル・・・人間力、コミュニケーション能力、見立て、診断力
成人の8割は歯周病、うち8~9割の歯周病は歯周基本治療のみで治癒、維持できる
→歯科衛生士の役割は大きい→プラークコントロール、全身疾患、リスクファクターの管理
治療の結果を長期に維持するためには長期に渡る患者さんとのお付き合いが必要
→「継続は力なり」

2日目は神奈川県平塚市で明治12年から140年続いている、平野歯科医院4代目平野治朗先生による
教育講演「臨床家の目指すゴールとは~長期経過症例から考察する~」でした。

「親子三代で患者さんの人生を見守る」「過剰な介入を避ける」「患者さんと共に歩む臨床」
「人を看てから口を診る」「アンカーになりたい」という言葉はどれも私の心に響きました。
経験を積んで臨床スキル(技術)も高くなってくると、口腔内、歯に対する術者の理論が先行してしまい、
ややもすると患者さん自身や患者さんを取り巻く生活背景が見えなくなってしまいがちになります。

高い臨床スキルをお持ちの平野先生ですが、「35年臨床に携わってきた町医者」というプレゼン最後の
スライドは、おそらく平野先生が35年臨床に携わった末に行き着いたご自身の揺るぎないスタンスなのだと
感じました。

「アンカーになりたい」という言葉は今から15~20年くらい前でしょうか、CDC(congenial dentist club)で
平野先生の大先輩にあたる松岡晃先生が歯科総合誌(確か歯界展望であったと記憶)の座談会で述べられた
と記憶しており(その後日本歯科評論で名古谷先生もこの言葉を使われていたように思うのですが・・・、
最近記憶力がだいぶ怪しくなってきているので )、当時私の琴線に触れた言葉でしたが今回の講演で
それらのことを思い出しました。

アンカーというのは船の錨のことで、アンカーになりたいというのは、様々な病院を受診してきた患者さんが
最後に行き着く歯科医院(生涯のかかりつけ歯科医)になりたいという意味で、私も年々その思いが強くなっています。

22年前、「患者さんのために」と強い志を持って開業時に読んだ「これからの歯科医療~若き医療人への10ヵ条~」
(松岡晃著)を平野先生の教育講演を思い出しながら、「患者さんと共に」22年歩んできた自分の臨床の原点に
返って読んでいる次第です。

ビオラ 


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