fc2ブログ
2018.02.19

移植床の①骨幅が足りない②骨の高さがないアドバンス歯牙移植2症例

 こんにちは、なえぼ駅前歯科の大村です。
平昌オリンピック、日本人選手活躍していますね~~。
一昨日は羽生、宇野両選手の金銀ダブル受賞!感動しました。
羽生選手の渾身の演技、最後のスピン堪えました~~。
宇野選手も最初の4回転ループこそ転倒しましたが、その後はしっかり決めてハビエル選手を逆転。

「すべての選手の演技を見ていて頭の中で勝ち負けの点数を計算していた」という宇野選手のコメント
には驚きで、勝つ選手はやはりハートが強く、ものが違うな~と感じました。
羽生選手の「人生をスケートに賭けてきて本当に良かった」というコメントには、思わずうるっときて
しまいました。本当におめでとうございます!(昨日は小平選手も金メダルを獲得しました~ 

今年は今のところこまめにブログを更新していますが 、先日ある先生から「歯牙移植を考えている
患者さんが来院されたのだけど、移植予定のところに骨がない(下顎の頬側に骨がない)が歯牙
移植の骨造成は可能ですか?」と質問を受けました。

移植できる歯があっても、移植予定の部位(移植床)に骨がないと、移植ができないかあるいは
行っても良好な予後が望めないのですが、様々なテクニックを駆使することで歯牙移植は可能と
なります。
と言うことで、前回のブログアップからまだ間もないのですが(この調子がいつまで続くか心配ですが )、
本日は当院の治療例を見ていただきながら、歯牙移植アドバンス編のお話をさせていただきます。

移植床の骨が不足している場合の歯牙移植は、以下①~④の方法が可能です。

①頬側に骨が不足していても前後の歯の頬側に骨があり、ボーンハウジング内に収まる
(両隣接歯の頬側の骨を結んだ枠の中に納まる)のであれば、GTR膜+骨移植を併用しての
 歯牙移植が可能。移植歯には歯根膜が存在するので却って骨の再生は得られやすい

②移植歯がやや大きいなどの理由で、ボーンハウジング内に収まりにくい場合は、移植歯の
 抜歯時、頬側の骨を付けたまま抜歯して移植する方法(生木骨折移植)も、ピエゾ(超音波
 切削器具)を用いて行うことが可能

③上顎臼歯部は骨の高さが足りない場合、上顎洞粘膜を挙上(ソケットリフト)させることで移植が
 可能

④上顎の場合は下顎と比べて骨が硬くないため、骨にスプリット(切れ目)を入れそこから骨幅を
 広げていく方法も可能

①、③、④はすでに症例数をこなしており、②も適応症例で且つその治療が最善であり、
また患者さんが治療を希望されれば行う準備は整っています(これまでは明らかに骨幅が足りない
場合、可能であれば分割してそれぞれ移植(あるいは条件の良い方のみ移植)という治療法を
選択したこともありましたが、むしろ移植ではなくインプラントをご提案していました)。

ということで本日は、
第一症例:骨の幅がない(頬側に骨がない)ケースの再生療法併用症例
第二症例:骨の高さがないケースのソケットリフト併用症例   をご覧いただきたいと思います。

(第一症例)
初診時50代の女性の方で、左下奥2本(×の歯)は虫歯と歯の破折で保存は困難な状態でした。
真ん中の歯も虫歯の進行が著しく、5本ブリッジ(支えは3歯)で対応したとしても負担のかかる
この歯の予後は厳しいと思われました。またブリッジで対応する場合、健全な犬歯と大臼歯を
削って被せる治療になります。

そこで真ん中の歯はブリッジとせず単冠で、向かって左は抜歯後、GBR(骨造成)を併用した
インプラント、そして向かって右の大臼歯部は抜歯後、左上智歯(親知らず)を移植しようと
考えました。

平成24年初診時の状態

しかしながら移植床部は元々感染が大きく、頬側に骨がない状態で(下の左下図、赤線の
ところが頬側の足りない骨部)、2根に分岐している左上智歯を移植すると分岐部は骨内に
収まらず、移植後根分岐部病変を有する歯となってしまいます。

移植床部のCT画像

そこで移植時、頬側の骨再生も併せて行うことを計画しました。

初診から5年後の現在

初診から5年後(移植4年後)、現在の左下奥です。
向かって左側はインプラント、真ん中はi-TFCファイバーコアとスーパーボンドを用いた
根築1回法、そして右側は左上智歯が移植されています。2根に分岐した移植歯の根分岐部
にはしっかりと骨が再生されています。

(第二症例)
このケースは矯正専門医からの依頼で、矯正治療により抜歯予定の右下奥を後継永久歯が
先天性に欠如している左上奥に移植できないかとのことでした。
永久歯の根未完成歯は適切な時期に歯牙移植を行うと、歯髄(歯の神経)は生きたまま歯冠
修復することなく天然歯として一生涯維持していくことも可能です。しかしながら根未完成な
右下永久歯の歯根長は9~10mmある一方、左上の移植床(乳歯抜歯後の移植予定部位)の
骨はCTで確認すると2mmしかありませんでした。

根未完成歯の歯牙移植

その場合、ソケットリフト(上顎洞粘膜を挙上する方法)を併用した歯牙移植を行うことで移植を
成功させることが可能です。

歯牙移植の術中と移植後1年

移植を依頼された先生のご要望にお応えすると共に、何より患者さんのお母さんがとても喜んで
くださったことは本当に嬉しく歯科医師冥利に尽きます。

歯科医師として「歯を救う、活かす」ための高度な外科治療の経験と実績を積んでいくことは、
時としてプレッシャーやストレスになることもあるかもしれませんが、うちでしかできない
患者さんにとって最善と思われる治療の引き出しを多く持ち、結果を出して喜んでいただける
ことが、この仕事に賭けて頑張れる何よりの原動力であることは間違いありません。

このブログをご覧になられて、もしセカンドオピニオンを希望される方がおられましたら、
ぜひ一度当院にご来院ください。ご希望をよく伺った上で、私の見立てで最善と思う治療の
お話をさせていただきます









スポンサーサイト




この記事へのトラックバックURL
http://naebohonobono.blog.fc2.com/tb.php/109-b3831e60
この記事へのトラックバック
この記事へのコメント
管理者にだけ表示を許可する