2016.02.27
初診時から18年間、31歯残存を継続されているTさんのお話
先日吹雪の中、新千歳空港ではエンジン発煙事故により緊急脱出した乗客が30分以上
外で待たされるという事件が起こりましたが、札幌もここ数日断続的に雪が降り積もっています。
今年は例年になく雪が少なかったので、最後の帳尻合わせなのかもしれませんね。
皆様はいかがお過ごしでしょうか、なえぼ駅前歯科の大村です。
最近車通勤をやめて歩いています(と言っても、当院は苗穂駅直結なのですが(^_^;))。
先週土曜日は、当法人(慈昂会)の一分院である「ステラはり・灸整骨院」
(豊平区豊平5条2丁目 http://jkkai.com/img/tel10.jpg)に行ってきました。
「はり、電気、揉みほぐし」で1時間半ほど施術をしてもらいとても楽になりました(*´∀`*)
帰りは苗穂駅までの3km弱を歩き、蔵の湯でゆっくり湯船に浸かりました。
「は~ (* ̄▽ ̄)o---D={{(*▽*)}} 気持ちいい~! 極楽クゥ~~」
次の日の日曜日も札幌大丸で用事を済ませた後、苗穂駅まで歩いて仕事に。
5月の豊平川マラソン、6月の千歳JALマラソンもすでに申し込みましたので、そろそろ
少しずつ (^^; 痩せて体を作っていかねばと思うところです。
本日は、昨日メインテナンス来院されたTさんのお話をさせていただきます。
Tさんは平成10年、歯石を取ってほしいとの主訴で当院に来院されました。
当時は定年退職前で、局所的に中等度から重度の歯周病に罹患していました。
位相差顕微鏡を用いた最初のモチベーション(歯周病治療の動機づけ)直後に
「歯医者はなるべく来たくない場所だから」とおっしゃられたり、歯周病治療において
最も大切なブラッシング指導を何度か行ったところ、来院3回目には「長く通院したくない
から早く治療をしてほしい」とのことで (^^; 、正直最後まで続くのかな~と思っていました。

平成10年初診時レントゲン写真


初診時正面と左上奥
左右上の奥歯(大臼歯はいずれも根分岐部病変Ⅱ~Ⅲ度)と下の前歯は歯周病が
かなり進行していました。
また平成12年には右下奥歯に強い痛みが出て、2本とも生活歯(神経のある歯)である
にもかかわらず破折(不完全破折)を生じ、歯牙の咬耗も著しかったことから、
歯周病の罹患度も咬合力もリスクのある患者さんという認識を持ちました。

右下奥(矢印のところで破折を認める)
向かって右側の歯は割れが神経に達しておりましたので神経を取る処置を行い、
破折部分が広がらないよう破折線部の処置を行った上で、「田臥をはめる」要領で
土台部分をスーパーボンドという強力な接着剤で接着させ、2本とも被覆冠を装着しました。
治療終了10年後のレントゲン写真です。

初診時31歯残存していましたがメインテナンスに入っても歯を失うことなく、割れの入った
右下奥の歯も経過は良好でした。
しかしながら初診から15年を過ぎて、左上奥、右上奥の歯が3本、次々と歯根破折を
起こしました。

本来であれば3本とも抜歯となるところですが、i-TFCファイバーコアによる根築1回法や
破折歯接着再植を応用し、できれば自分の歯を残したいというTさんの希望に沿えるよう
歯を残す治療を行いました。
後からお聞きしたところ、硬いものでも気にせずガンガン噛んでいたとのこと(^_^;)
神経を取った歯は天然歯と違い、無茶な噛み方には気をつけて下さいと念を押していた
はずなのですが(^^;
初診時58才であったTさんですが、現在76才になられました。
進行した歯周病に罹患していた歯も、割れの入った歯も、適切に治療された上で
きめの細かなメインテナンスが継続されていなければ、随分歯は失われていたことと思います。

初診から18年後のレントゲン写真

現在日本人の平均残存歯数は統計を見ますと、

概ね 58才 21本 → 76才 9本 と歯はどんどんなくなっていますが、
現在Tさんは 58才 31本 → 76才 31本 を18年間継続中です。
これも生涯を通じて1本たりとも貴重な歯を失ってほしくないという想いから、医患協同で
メインテナンスを継続してきた賜物であり、初診時は果たして最後まで治療が終了できる
のかしらと思われたTさんでしたが、こうやって長く良好な信頼関係を維持することができ、
「歳を取っても歯がなくなっていかないのは先生のお陰」と感謝していただけ、本当に歯科
医師冥利に尽きるというものです。
これからも重度、高度な歯周病や割れてしまった歯の救済治療に、保存の限界を見極め
再生療法を応用しながら、取り組んでいきたいと考えています。
口腔健康を通して患者さんの幸せに少しでも貢献できるよう、今後も日々研鑽努力して
いかなければと思うところです。

外で待たされるという事件が起こりましたが、札幌もここ数日断続的に雪が降り積もっています。
今年は例年になく雪が少なかったので、最後の帳尻合わせなのかもしれませんね。
皆様はいかがお過ごしでしょうか、なえぼ駅前歯科の大村です。
最近車通勤をやめて歩いています(と言っても、当院は苗穂駅直結なのですが(^_^;))。
先週土曜日は、当法人(慈昂会)の一分院である「ステラはり・灸整骨院」
(豊平区豊平5条2丁目 http://jkkai.com/img/tel10.jpg)に行ってきました。
「はり、電気、揉みほぐし」で1時間半ほど施術をしてもらいとても楽になりました(*´∀`*)
帰りは苗穂駅までの3km弱を歩き、蔵の湯でゆっくり湯船に浸かりました。
「は~ (* ̄▽ ̄)o---D={{(*▽*)}} 気持ちいい~! 極楽クゥ~~」
次の日の日曜日も札幌大丸で用事を済ませた後、苗穂駅まで歩いて仕事に。
5月の豊平川マラソン、6月の千歳JALマラソンもすでに申し込みましたので、そろそろ
少しずつ (^^; 痩せて体を作っていかねばと思うところです。
本日は、昨日メインテナンス来院されたTさんのお話をさせていただきます。
Tさんは平成10年、歯石を取ってほしいとの主訴で当院に来院されました。
当時は定年退職前で、局所的に中等度から重度の歯周病に罹患していました。
位相差顕微鏡を用いた最初のモチベーション(歯周病治療の動機づけ)直後に
「歯医者はなるべく来たくない場所だから」とおっしゃられたり、歯周病治療において
最も大切なブラッシング指導を何度か行ったところ、来院3回目には「長く通院したくない
から早く治療をしてほしい」とのことで (^^; 、正直最後まで続くのかな~と思っていました。

平成10年初診時レントゲン写真


初診時正面と左上奥
左右上の奥歯(大臼歯はいずれも根分岐部病変Ⅱ~Ⅲ度)と下の前歯は歯周病が
かなり進行していました。
また平成12年には右下奥歯に強い痛みが出て、2本とも生活歯(神経のある歯)である
にもかかわらず破折(不完全破折)を生じ、歯牙の咬耗も著しかったことから、
歯周病の罹患度も咬合力もリスクのある患者さんという認識を持ちました。

右下奥(矢印のところで破折を認める)
向かって右側の歯は割れが神経に達しておりましたので神経を取る処置を行い、
破折部分が広がらないよう破折線部の処置を行った上で、「田臥をはめる」要領で
土台部分をスーパーボンドという強力な接着剤で接着させ、2本とも被覆冠を装着しました。
治療終了10年後のレントゲン写真です。

初診時31歯残存していましたがメインテナンスに入っても歯を失うことなく、割れの入った
右下奥の歯も経過は良好でした。
しかしながら初診から15年を過ぎて、左上奥、右上奥の歯が3本、次々と歯根破折を
起こしました。

本来であれば3本とも抜歯となるところですが、i-TFCファイバーコアによる根築1回法や
破折歯接着再植を応用し、できれば自分の歯を残したいというTさんの希望に沿えるよう
歯を残す治療を行いました。
後からお聞きしたところ、硬いものでも気にせずガンガン噛んでいたとのこと(^_^;)
神経を取った歯は天然歯と違い、無茶な噛み方には気をつけて下さいと念を押していた
はずなのですが(^^;
初診時58才であったTさんですが、現在76才になられました。
進行した歯周病に罹患していた歯も、割れの入った歯も、適切に治療された上で
きめの細かなメインテナンスが継続されていなければ、随分歯は失われていたことと思います。

初診から18年後のレントゲン写真

現在日本人の平均残存歯数は統計を見ますと、

概ね 58才 21本 → 76才 9本 と歯はどんどんなくなっていますが、
現在Tさんは 58才 31本 → 76才 31本 を18年間継続中です。
これも生涯を通じて1本たりとも貴重な歯を失ってほしくないという想いから、医患協同で
メインテナンスを継続してきた賜物であり、初診時は果たして最後まで治療が終了できる
のかしらと思われたTさんでしたが、こうやって長く良好な信頼関係を維持することができ、
「歳を取っても歯がなくなっていかないのは先生のお陰」と感謝していただけ、本当に歯科
医師冥利に尽きるというものです。
これからも重度、高度な歯周病や割れてしまった歯の救済治療に、保存の限界を見極め
再生療法を応用しながら、取り組んでいきたいと考えています。
口腔健康を通して患者さんの幸せに少しでも貢献できるよう、今後も日々研鑽努力して
いかなければと思うところです。

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