2016.01.25
遠く道東より破折歯の治療を希望して来院されたMさんの話
昨日は全国的に寒波の影響で西日本、四国、九州鹿児島、果ては沖縄でも39年ぶり観測史上
2度目という雪が降ったようですが、ここ札幌も今朝から深々と雪が降り続いています。
皆様いかがお過ごしでしょうか、なえぼ駅前歯科の大村です。
少し前の話になりますが、年末、家族でスターウォーズ/フォースの覚醒を観に行きました。
思えばスターウォーズエピソード4/新たなる希望は、38年前の高校時代(^^; に函館の映画館で
観ました。今のようなCGも当時は勿論ありませんでしたが(CGは22年前のジュラシックパークから)、
高校生であった当時の私にはとても衝撃的な映画で、何と次の週に今度は別の友人ともう1回観に
行ってしまいました(^^;封切り中に2回観に行ったのは後にも先にもこの時だけで、40年近く経った
今でもシリーズとして続いているのですから、もしかしたら大ヒットを予感させる先見の明があったの
かもしれませんネ・・・(*´∀`*)。
ちなみに映画を見た後そのまま引き続きまた見た(同日に続けて2回観た)こともあります(今は
一度退室しなければなりませんし、席も予約制ですのでそういうことはできませんが、当時はできました
(違法?))。その映画はトムクルーズがトップスターの仲間入りを果たした大ヒット主演作「トップガン」
です。初めて観たトムクルーズはとにかく格好良かった
このすばらしい作品に続編がないのは、
トムクルーズが続編を製作することでこの作品の価値が下がってしまうことを嫌ったからだとも
言われています。
昨年、トムクルーズ主演のミッションインポッシブル/ローグ・ネイションをユナイテッド・シネマで
観ましたが、こちらの方は20年近く続くロングランシリーズになっています(ちなみにこの映画は
子供の頃にテレビで見ていた「スパイ大作戦」がベースになっています)。
トップガンからかれこれ30年、私生活ではいろいろあったトムクルーズも御年50を超えましたが、
格好の良さは相変わらずで本当に羨ましい限りです。
前置きが長くなってしまいましたが (^^; 、先週とても嬉しいことがありました。
遠く道東より当院に来院されているMさんの歯にようやく無事冠が入ったことです
Mさんは歯にひびが入っているかもしれないと地元の歯科医院で言われ、何とか残せないものかと
HPを検索して当院に来院されました。高速道路を使っても片道3~4時間の距離です。
ご自分の歯を抜歯せずに治療してもらうためなら遠距離も厭わない、本当に感服すると共に
私の責任も重大です。
初診時の診査で、歯ぐきの腫れ(青矢印)は根尖よりやや歯頚部寄りではあるものの、深い歯周
ポケットは根尖近くまで達しており(赤矢印)、視診ではっきりとした割れを確認できなかったため、
腫れの原因が歯の割れであるという確定診断はできませんでした。


初診時レントゲン写真と口腔内
従ってまずは通法通り根管治療を行い、1ヶ月以上経過観察を行いました。
しかしながら頬側の歯ぐきのフィステル(排膿路)は消失しませんでしたので、結果として
奥の根がやはり割れているであろうことがわかりました。

根管治療後1ヶ月(深い歯周ポケットは改善せず)
二つの根を分割し問題のない手前の根はそのままにし、奥の割れている歯のみ
接着再植法(一度抜歯し、口腔外で割れの接着処置を行なって元に戻す方法)
を行いました。

術中(破折線部接着処置後)
術前には歯肉の腫れと深い歯周ポケットを認めましたが、術後すぐに腫れは消失し、
2ヶ月後には全周浅い歯肉ポケットとなり最終的な冠を装着することができました。

冠装着時
この歯がMさんの口腔内で10年、20年何事もなかったように、普通に機能してくれることを
願って止みません。
前医で抜歯宣告を受け、何とか残せる手立てはないものかとHPをご覧になられて当院に
来院される患者さんは多く、中には感染が大きく保存は難しいため、他の治療方法をご提案する
こともありますが、基本的には患者さんの希望でもあるご自身の歯をうまく保存することを第一に
考えています。
メインテナンスを継続した結果10年後、「あの時抜歯にならずに本当に良かったですね」と私を
信頼して治療を任せてくれた患者さんと喜びを分かち合えることを楽しみに、日々研鑽に努めています。
接着保存治療を行った破折歯は、その後のメインテナンスも重要です。
遠方からのメインテナンスになりますが、Mさんこれからも末永くお付き合いください。
よろしくお願いします(*´∀`*)
2度目という雪が降ったようですが、ここ札幌も今朝から深々と雪が降り続いています。
皆様いかがお過ごしでしょうか、なえぼ駅前歯科の大村です。
少し前の話になりますが、年末、家族でスターウォーズ/フォースの覚醒を観に行きました。
思えばスターウォーズエピソード4/新たなる希望は、38年前の高校時代(^^; に函館の映画館で
観ました。今のようなCGも当時は勿論ありませんでしたが(CGは22年前のジュラシックパークから)、
高校生であった当時の私にはとても衝撃的な映画で、何と次の週に今度は別の友人ともう1回観に
行ってしまいました(^^;封切り中に2回観に行ったのは後にも先にもこの時だけで、40年近く経った
今でもシリーズとして続いているのですから、もしかしたら大ヒットを予感させる先見の明があったの
かもしれませんネ・・・(*´∀`*)。
ちなみに映画を見た後そのまま引き続きまた見た(同日に続けて2回観た)こともあります(今は
一度退室しなければなりませんし、席も予約制ですのでそういうことはできませんが、当時はできました
(違法?))。その映画はトムクルーズがトップスターの仲間入りを果たした大ヒット主演作「トップガン」
です。初めて観たトムクルーズはとにかく格好良かった

トムクルーズが続編を製作することでこの作品の価値が下がってしまうことを嫌ったからだとも
言われています。
昨年、トムクルーズ主演のミッションインポッシブル/ローグ・ネイションをユナイテッド・シネマで
観ましたが、こちらの方は20年近く続くロングランシリーズになっています(ちなみにこの映画は
子供の頃にテレビで見ていた「スパイ大作戦」がベースになっています)。
トップガンからかれこれ30年、私生活ではいろいろあったトムクルーズも御年50を超えましたが、
格好の良さは相変わらずで本当に羨ましい限りです。
前置きが長くなってしまいましたが (^^; 、先週とても嬉しいことがありました。
遠く道東より当院に来院されているMさんの歯にようやく無事冠が入ったことです

Mさんは歯にひびが入っているかもしれないと地元の歯科医院で言われ、何とか残せないものかと
HPを検索して当院に来院されました。高速道路を使っても片道3~4時間の距離です。
ご自分の歯を抜歯せずに治療してもらうためなら遠距離も厭わない、本当に感服すると共に
私の責任も重大です。
初診時の診査で、歯ぐきの腫れ(青矢印)は根尖よりやや歯頚部寄りではあるものの、深い歯周
ポケットは根尖近くまで達しており(赤矢印)、視診ではっきりとした割れを確認できなかったため、
腫れの原因が歯の割れであるという確定診断はできませんでした。


初診時レントゲン写真と口腔内
従ってまずは通法通り根管治療を行い、1ヶ月以上経過観察を行いました。
しかしながら頬側の歯ぐきのフィステル(排膿路)は消失しませんでしたので、結果として
奥の根がやはり割れているであろうことがわかりました。

根管治療後1ヶ月(深い歯周ポケットは改善せず)
二つの根を分割し問題のない手前の根はそのままにし、奥の割れている歯のみ
接着再植法(一度抜歯し、口腔外で割れの接着処置を行なって元に戻す方法)
を行いました。

術中(破折線部接着処置後)
術前には歯肉の腫れと深い歯周ポケットを認めましたが、術後すぐに腫れは消失し、
2ヶ月後には全周浅い歯肉ポケットとなり最終的な冠を装着することができました。

冠装着時
この歯がMさんの口腔内で10年、20年何事もなかったように、普通に機能してくれることを
願って止みません。
前医で抜歯宣告を受け、何とか残せる手立てはないものかとHPをご覧になられて当院に
来院される患者さんは多く、中には感染が大きく保存は難しいため、他の治療方法をご提案する
こともありますが、基本的には患者さんの希望でもあるご自身の歯をうまく保存することを第一に
考えています。
メインテナンスを継続した結果10年後、「あの時抜歯にならずに本当に良かったですね」と私を
信頼して治療を任せてくれた患者さんと喜びを分かち合えることを楽しみに、日々研鑽に努めています。
接着保存治療を行った破折歯は、その後のメインテナンスも重要です。
遠方からのメインテナンスになりますが、Mさんこれからも末永くお付き合いください。
よろしくお願いします(*´∀`*)
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2016.01.21
痛くて噛めるところがない(重度歯周病)との主訴で来院されたYさんとの17年
今日は札幌も朝からかなり雪が降っていますネ、 なえぼ駅前歯科の大村です。
今年最初の「なえぼほのぼのブログ」になりますが、本年もどうぞよろしくお願い致します。
皆様、年末年始はどのように過ごされましたか?
私は大学に通っている3人の息子たちが帰省し、久しぶりに家族7人全員が揃いました。
札幌の自宅でのんびり家族と映画やボーリングに行ったり、おいしいものを食べたりして
過ごしました(*´∀`*)
ところで、最近他の歯科医院さんにおいて、インプラントのカウンセリングをさせて
いただく機会がありました。二名の患者さんともその歯科医院さんで以前に治療を終了した
患者さんでした。
歯周病は「silent disease(静かなる病気)」とも言われ、かなり進行するまで自覚症状の
少ない病気なのですが、「メインテナンスには必ず来て下さいね」と言われていながら、
「どこも悪くなく調子が良いから」と自己判断して何年も放置した結果、症状が出て
再来院された時にはブリッジの要の歯が手遅れの状態となり、今回インプラントという話に
なってしまいました (´;ω;`)
患者さんが後悔しないようにと、当院でも歯周病治療の最初のガイダンス時から繰り返し
メインテナンスの重要性を伝えていますが、どうしても経験して痛い目をみないとわからない
ということが残念ながらあります。
本日ご紹介させていただく患者Yさんも同じ経験をされた患者さんで、平成11年当院に
来院されました。前医では「歯周病の厳しい歯を全部抜いたら総入れ歯」と言われ、痛くて
どこも噛めるところがないとのこと、会社医務室からのご紹介でした。

平成11年初診時レントゲン写真
全顎的に歯周病の進行を認めましたが、特に左下奥、右上奥は歯周病の進行が著しく、
噛んでもらうと歯は浮いたり沈んだりと舞踏様に動いており、奥歯がそのような状態である
ため上の前歯も突き上げられて大きく開いて挺出していました。

初診時前歯

初診時左下奥
初診時、左下奥の歯ぐきは赤黒く腫れていましたが、歯周病治療の甲斐あって次第に
改善していきました。ところが7~8割方治療が進んでいた平成13年、突然関東方面への
転勤が決まりました。
左下、左上はすでに歯周外科処置までの確定治療を終えていましたが、右上奥は時間の
都合がどうしてもつかず、非外科処置を再度行って治療を終了しました。

平成13年治療終了時レントゲン写真
転勤先で引き続きメインテナンスしてくれる歯科医院をご紹介しようと思ったところ、「自宅は
そのままにしていくので、年に数回は札幌に戻ってきます。こちらで引き続きメインテナンスは
お願いします」とのことでしたのでそのまま治療終了としました。
ところがその後7年、途中メインテナンス継続のおハガキも2度出したのですが、Yさんは結局
一度も来院されませんでした・・・。
平成20年、突然Yさんからお電話がありました。
昨年退職し札幌の自宅に戻ってきた。調子が良かったのでずっとそのままにしていたが、
最近調子が悪くなってきたので一度診察してほしいとのことでした。
これが再来時の状態です。

平成20年再来時レントゲン写真
平成11年には重症で、最終的に歯周外科処置を行った左下奥(赤矢印)と左上奥は骨の状態も
きれいで、左下奥は7年経って却って歯槽骨のボリュームが増していましたが、転勤前、時間に
追われて非外科処置で対応した、根分岐部病変を有する右上大臼歯2本(青矢印)は歯周病が
進行しすでに手遅れの状態になっており、その前の2本の歯もかなり危ない状態になっていました。
また時間がなく矯正治療を行わなかった上の前歯は更に開いて挺出していました。
やむなく右上奥の2本は抜歯させていただき、同部にインプラントを勧めました。
と申しますのは、この部分を放置あるいは義歯で対応すると、手前の2本は過重負担により
抜歯の連鎖を引き起こすと考えたからです。
その後7年経過した現在の状態です。

初診から17年経過した現在の状態

右上奥は歯周病で歯槽骨がなくなっていましたので、サイナースリフトという外科処置で骨を
作った後、インプラントを埋入。また前歯の矯正治療も行いました。
再来院から7年、今度はメインテナンスにもしっかり来院されています。
平成11年の初診来院から17年経過し、その間右上奥2本が抜歯となってしまいましたが、
歯周病治療におけるメインテナンスの重要性は再認識されたことと思います。
Yさんは平成11年の初診時、どこも噛めずに本当に困っていた時のことを時々思い出し、
「あの時は本当に大変だった」「あの歯が今も残って本当にしっかり噛めているのは驚き」
「先生のお陰で歯は快調」と話して下さいます。
私の方こそ途中中断を挟みながらも、17年当院に来て下さっているYさんからこのような
言葉をかけていただき、本当に歯科医師冥利に尽きるというか、感謝の気持ちで一杯です。
患者さんから見れば、「歯科医院はできればあまり行きたくないところ」と思われているかも
しれません。「最近メインテナンスにいらしてませんが・・・」との電話は要らぬお節介かもしれません。
しかしながらメインテナンスし続けるということは、自分が行った治療に対して全責任を持つ
ということでもあるのです。更に言えば、メインテナンスに来院されていなかったので悪化した、
治療にトラブルがきたというのは、責任の所在がはっきりしない(責任の一端を悪く言えば
患者さんに押し付ける)ということの裏返しでもあるのです。
10年トラブルのないしっかりとした治療をまずは行い、適切なメインテナンス治療を継続する
ことで、できるだけ再治療を繰り返さないようにすることが、結局は歯を長く持たせます。
「後悔先に立たず」
「あの時先生の言った通りメインテナンスに来ていればよかった」
と少なくとも当院の患者さんにはそういう思いをさせたくないとの気持ちから、しばらくメインテ
ナンス来院のない患者さんには「その後どうされていますか?」ときめ細かくお電話やおはがきを
差し上げているのです
最後に一言。
昨日、5ヶ月メインテナンスに来院されていないAさん(なえぼほのぼのブログ
http://naebohonobono.blog.fc2.com/blog-entry-62.html に掲載)に
担当歯科衛生士から電話をしました。
「今は調子の悪いところはなくこちらからまた必要な時にお電話します」とのこと・・・。
「Aさ~ん、そうじゃないんだってば~~~」
今年最初の「なえぼほのぼのブログ」になりますが、本年もどうぞよろしくお願い致します。
皆様、年末年始はどのように過ごされましたか?
私は大学に通っている3人の息子たちが帰省し、久しぶりに家族7人全員が揃いました。
札幌の自宅でのんびり家族と映画やボーリングに行ったり、おいしいものを食べたりして
過ごしました(*´∀`*)
ところで、最近他の歯科医院さんにおいて、インプラントのカウンセリングをさせて
いただく機会がありました。二名の患者さんともその歯科医院さんで以前に治療を終了した
患者さんでした。
歯周病は「silent disease(静かなる病気)」とも言われ、かなり進行するまで自覚症状の
少ない病気なのですが、「メインテナンスには必ず来て下さいね」と言われていながら、
「どこも悪くなく調子が良いから」と自己判断して何年も放置した結果、症状が出て
再来院された時にはブリッジの要の歯が手遅れの状態となり、今回インプラントという話に
なってしまいました (´;ω;`)
患者さんが後悔しないようにと、当院でも歯周病治療の最初のガイダンス時から繰り返し
メインテナンスの重要性を伝えていますが、どうしても経験して痛い目をみないとわからない
ということが残念ながらあります。
本日ご紹介させていただく患者Yさんも同じ経験をされた患者さんで、平成11年当院に
来院されました。前医では「歯周病の厳しい歯を全部抜いたら総入れ歯」と言われ、痛くて
どこも噛めるところがないとのこと、会社医務室からのご紹介でした。

平成11年初診時レントゲン写真
全顎的に歯周病の進行を認めましたが、特に左下奥、右上奥は歯周病の進行が著しく、
噛んでもらうと歯は浮いたり沈んだりと舞踏様に動いており、奥歯がそのような状態である
ため上の前歯も突き上げられて大きく開いて挺出していました。

初診時前歯

初診時左下奥
初診時、左下奥の歯ぐきは赤黒く腫れていましたが、歯周病治療の甲斐あって次第に
改善していきました。ところが7~8割方治療が進んでいた平成13年、突然関東方面への
転勤が決まりました。
左下、左上はすでに歯周外科処置までの確定治療を終えていましたが、右上奥は時間の
都合がどうしてもつかず、非外科処置を再度行って治療を終了しました。

平成13年治療終了時レントゲン写真
転勤先で引き続きメインテナンスしてくれる歯科医院をご紹介しようと思ったところ、「自宅は
そのままにしていくので、年に数回は札幌に戻ってきます。こちらで引き続きメインテナンスは
お願いします」とのことでしたのでそのまま治療終了としました。
ところがその後7年、途中メインテナンス継続のおハガキも2度出したのですが、Yさんは結局
一度も来院されませんでした・・・。
平成20年、突然Yさんからお電話がありました。
昨年退職し札幌の自宅に戻ってきた。調子が良かったのでずっとそのままにしていたが、
最近調子が悪くなってきたので一度診察してほしいとのことでした。
これが再来時の状態です。

平成20年再来時レントゲン写真
平成11年には重症で、最終的に歯周外科処置を行った左下奥(赤矢印)と左上奥は骨の状態も
きれいで、左下奥は7年経って却って歯槽骨のボリュームが増していましたが、転勤前、時間に
追われて非外科処置で対応した、根分岐部病変を有する右上大臼歯2本(青矢印)は歯周病が
進行しすでに手遅れの状態になっており、その前の2本の歯もかなり危ない状態になっていました。
また時間がなく矯正治療を行わなかった上の前歯は更に開いて挺出していました。
やむなく右上奥の2本は抜歯させていただき、同部にインプラントを勧めました。
と申しますのは、この部分を放置あるいは義歯で対応すると、手前の2本は過重負担により
抜歯の連鎖を引き起こすと考えたからです。
その後7年経過した現在の状態です。

初診から17年経過した現在の状態

右上奥は歯周病で歯槽骨がなくなっていましたので、サイナースリフトという外科処置で骨を
作った後、インプラントを埋入。また前歯の矯正治療も行いました。
再来院から7年、今度はメインテナンスにもしっかり来院されています。
平成11年の初診来院から17年経過し、その間右上奥2本が抜歯となってしまいましたが、
歯周病治療におけるメインテナンスの重要性は再認識されたことと思います。
Yさんは平成11年の初診時、どこも噛めずに本当に困っていた時のことを時々思い出し、
「あの時は本当に大変だった」「あの歯が今も残って本当にしっかり噛めているのは驚き」
「先生のお陰で歯は快調」と話して下さいます。
私の方こそ途中中断を挟みながらも、17年当院に来て下さっているYさんからこのような
言葉をかけていただき、本当に歯科医師冥利に尽きるというか、感謝の気持ちで一杯です。
患者さんから見れば、「歯科医院はできればあまり行きたくないところ」と思われているかも
しれません。「最近メインテナンスにいらしてませんが・・・」との電話は要らぬお節介かもしれません。
しかしながらメインテナンスし続けるということは、自分が行った治療に対して全責任を持つ
ということでもあるのです。更に言えば、メインテナンスに来院されていなかったので悪化した、
治療にトラブルがきたというのは、責任の所在がはっきりしない(責任の一端を悪く言えば
患者さんに押し付ける)ということの裏返しでもあるのです。
10年トラブルのないしっかりとした治療をまずは行い、適切なメインテナンス治療を継続する
ことで、できるだけ再治療を繰り返さないようにすることが、結局は歯を長く持たせます。
「後悔先に立たず」
「あの時先生の言った通りメインテナンスに来ていればよかった」
と少なくとも当院の患者さんにはそういう思いをさせたくないとの気持ちから、しばらくメインテ
ナンス来院のない患者さんには「その後どうされていますか?」ときめ細かくお電話やおはがきを
差し上げているのです

最後に一言。
昨日、5ヶ月メインテナンスに来院されていないAさん(なえぼほのぼのブログ
http://naebohonobono.blog.fc2.com/blog-entry-62.html に掲載)に
担当歯科衛生士から電話をしました。
「今は調子の悪いところはなくこちらからまた必要な時にお電話します」とのこと・・・。
「Aさ~ん、そうじゃないんだってば~~~」

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