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2015.09.28

3.5本の歯根破折歯に対し、3本のインプラントで対応したTさんのケース

 皆様いかがお過ごしですか、なえぼ駅前歯科の大村です。
昨日は中秋の名月きれいでしたね。私は家族で室蘭に行き、室蘭温泉ゆららの露天風呂から
港の景色を眺めて一日ゆったり、のんびりと過ごしました。

ところで先週のシルバーウィークはどのように過ごされましたか (*´∀`*)。
私は家族とニセコに行ったり(ビュープラザ→ソガダイニング→ミルク工房→綺羅の湯は我が家
の定番コースです)、映画を見たり、また久しぶりにテニスもしました。
勿論ランニングもしましたが、食欲の秋、おいしいものもいっぱい食べてしまいました(^^;
しばし仕事は忘れて5日間、完全OFFで過ごしました。

しばらくブログを更新しない間にいろいろなことがありました。
8月30日(日)に行われた北海道マラソンは頚椎ヘルニアが完治せず、だましだまし練習をして
臨んだのですが、やはり夏マラソンは甘くはなく、ゴールまで残り10kmを切った32~33キロ
地点であえなくバスに収容されてしまいました。

北海道マラソン出発前(T先生と)
 
      北海道マラソンスタート前(T先生とツーショット)

しかしながら初参加でいろいろな要領は掴んだので、来年は完走できるよう再チャレンジする
つもりです。今年から2万人近い参加人数となり、私のFブロック(早い人からA →B →・・・・→F
の順にスタートとなります)は、スタートの号砲が鳴ってスタートラインに行くまでに10分近く
かかりました(*゜д゜*)。

その後もしばらくダラダラと走らざるを得ず、関門通過制限時間はそのロスタイムを計算に
入れなければならないこともわかりました。それにしても沿道の応援はすごいですね、
感激しました。また給水、氷やスイカなどの補給食も至れり尽くせりで、そのお陰で30km過ぎ
まで粘ることができました。来年に向けて今年こそは冬場のランニング、ウェイト維持をと思う
次第です(*´∀`*)

話は変わりますが、現在英国で行われているラグビーW杯において、先日、日本代表が
南アフリカ代表に劇的な逆転勝ちを収めたことは皆さんご記憶に新しいことと思います。
10年、20年前は、50点差、100点差をつけられて負けていたことを知っているだけに、
感激はひとしおです。実は私の母校である函館ラ・サール高校も4度目の挑戦(3年連続で
決勝戦敗退)で、北海道の強豪札幌山の手の16連覇を阻みついに花園への切符を
手にしました!我々の時代は函館大有斗が強く、函館支部大会では50点くらい差を
つけられて負けていたものです。

体格、パワー、技術では劣っていても、良き指導者の元、日々真摯に鍛錬し、スピード、スタミナ
に磨きをかけ、気迫と相手の弱点を研究し頭を使ったプレーで歴史を変えてくれました゚(゚´Д`゚)゚
日本代表にはぜひサモア、アメリカを撃破してもらい、決勝トーナメント出場を果たして
もらいたいと思います。また母校のラガーマンも憧れの花園ラグビー場で悔いのないよう、
自分達の持てる力をしっかり発揮して頑張ってほしいと思います。

かなり前置きが長くなってしまいましたが(^^; 、本日は10年前に当院に来院され、
その後5年間来院がなく、平成23年、歯根破折を起こして来院されたTさん(50才代後半)
のお話をさせていただきます。Tさんは今回すべて歯根破折が原因で、計3.5本が抜歯と
なってしまいました。

平成23年再初診時
              
            平成23年再初診時レントゲン写真(矢印が歯根破折を起こしていた歯)

今回歯根破折を起こした小臼歯(3本)と下顎第一大臼歯の近心根(2根のうちの1根、0.5本)は
いずれも歯根破折のリスクが高い部位であり、Tさんの場合はそれに加えてもともとの噛み合わせの
関係で、犬歯ガイドがなく(歯を噛んだ状態から横に動かした時に犬歯で噛まない状態)、小臼歯に
負担がかかりやすかったことが歯根破折の原因となりました。

今なら、i-TFCファイバーコア(保険外治療)をもっと積極的にご提案したと思います(矯正治療は
はなから希望されませんでした)。ちなみにi-TFCファイバーコアは当院に導入してから5年経っており、
これまで何百本と難しい歯に入れていますが、今のところ歯根破折や脱離のトラブルは1ケースも
ありません

10年前、Tさんはすべて保険診療での治療を希望されましたので、私も保険でできる精一杯の
治療を行って治療終了としました(10年前の上は初診時、下は治療終了時のレントゲン写真)。

 初診時

                         10年前の初診時レントゲン写真

治療終了時
                                 
                             同治療終了時

赤矢印の小臼歯(今回歯根破折を起こした歯の一つ)は噛み合せの面に白い詰め物がされただけ
になっており、1歯前の犬歯部に歯がない(犬歯ガイドがない)ことと相俟って、同部に楔の咬合力が
かかり歯根破折を起こすリスクを説明し、部分的に被せる治療を勧めたのですが、Tさんは削ることに
抵抗があったのか治療を受けたがらず、結局この歯だけは治療をしませんでした。

ところでTさんの場合、インプラントのご提案を承諾されたため、破折歯の接着保存治療は行って
いません。歯が割れた大きな原因が前述したように犬歯ガイドがない噛み合わせにあり、
割れた歯を仮にうまく残せたとしても、今後もその歯に負担がかかる状況を大きく変えることが
できません。そのため強固なインプラントで対応することにしました。

但し、強固なインプラントと噛み合う歯が失活(神経を取っている)歯である場合は、噛み合う歯の
歯根破折に注意しなければなりません。そのためできるだけ特定の弱い歯に負担がかからないよう、
噛み合せのバランスには細心の注意を払い、冠、ブリッジを作製しました。

またCT撮影を行ったところ、インプラント埋入部位は3箇所とも骨のボリュームが思った以上に
足りず、結局すべてGBR単独で骨造成を行った後、インプラント埋入となりました。

埋入後3年が経過した現在の状態です。
上の左右のインプラントは、隣接する失活歯にできるだけ負担がかからないよう、インプラントでガイド
させるようにしました(前歯部は切端咬合に近く十分ガイドしていません)。

3年経過した現在のインプラントの状態

                     3年経過したインプラント部のレントゲン写真

現在メインテナンス治療を継続中ですが、Tさんは今回のインプラントを機会にタバコをやめられ
ました。インプラントの予後にとって良いのみならず、全身の健康にとっても非常に良いことですが、
よく決断、実行されたと思います 

唯一の心配は夜間の歯ぎしりが少しあると思われることで、ナイトガードの装着をお勧めしている
のですが、今のところは使用を拒んでおられます(^^;。
しかしながら禁煙と同様、本当に自分の歯、インプラントを守るために必要だと思えば、
装着していただけると思っていますので、今後も長く良好にお付き合いをさせていただく中で、
粘り強く対応していけたら(笑) と考えています。
Tさん、よろしくお願いします(^_-)-☆


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