2015.03.28
13年前に歯周病治療を希望して来院されたHさんの現在(上顎フルブリッジ症例)
もうすぐ4月、札幌もすっかり雪が溶け春らしくなってきましたね ^_^
本州では桜もあちらこちらで開花し始め、暖かい春が待ち遠しい今日この頃です。
4月は新学期、新生活の季節です。
皆様いかがお過ごしでしょうか、なえぼ駅前歯科の大村です。
私の家族も長女は新しい職場での新生活、大学生の息子3人と高校生の次女はそれぞれ新学期と、
何かと出費はかさみますが(^^; 、子供5人が皆元気であるということが親としては何よりです。
夫としては少々?頼りない私をいつも献身的に支えてくれている妻には感謝です。
なえぼ駅前歯科も今年1月から、私の歯科医師としての原点である「患者さんのために」という想いを
共有できる新スタッフとともに、院内研修会、スタッフミーティングを重ねてきました。
患者さんに対して献身的で研修意欲のある、それぞれに違った個性の素晴らしいスタッフで、
きっとそういう院内の雰囲気が自然と患者さんにも伝わっていると思います。
これからがますます楽しみです(*´∀`*)
さて本日は平成14年に当院の患者様のご紹介にて、歯周病治療を希望し来院されたHさんを
ご紹介させていただきます。
初診時40才でしたが、上顎の残存歯は局所的に高度の歯周病に罹患しており、骨破壊の状況から
歯周病に対する罹患度が高く(歯周病になりやすく)、また歯周病の急速な進行に(強い)咬合力が関与
している(炎症+咬合)タイプの患者であることが予測されました。

平成14年初診時レントゲン写真
矢印の3歯は初診時いずれも10mm以上の歯周ポケットを有し保存困難と思われましたが、
すぐには抜歯せず保存治療を試みました。
下の歯と噛まないよう歯冠部を削合して自然挺出を行い、根管治療(根の治療)と歯周基本治療
(歯周病の初期治療)を行いましたが、
上の矢印(赤)の歯は支えの骨が全く回復せずやむなく抜歯となりました。
同じく矢印(橙)の歯は下のレントゲン診査では根の先まで骨がなかった(矢印のところまで骨がない)
のですが、

この歯を抜歯してしまうと、上顎はブリッジでの対応が難しくなるため何とか保存したいと考え、
再生療法のご提案をHさんにしました。
平成16年2月、治療終了時のレントゲン写真です。

保存困難と思われた右上奥の歯(矢印)には骨の再生が認められます。
上顎は写真のような3ピースで1ユニットとなるフルブリッジを装着しました。

お入れしたブリッジができるだけ長く持つように、矢印(赤)部分の犬歯は小臼歯様の咬合面形態にし、
Ⅲ度の根分岐部病変を有する矢印(橙)の奥歯に大きな負担がかからないよう工夫すると共に

夜間の歯ぎしり、日中の噛みしめも強いため、夜間はナイトガードを毎日装着してもらうこと、

- ナイトガードの状態。 白く抜けているところが夜の間に下の歯が接触している部分で
白い抜けが大きいほど(削れ方が大きいほど)夜間の歯ぎしりが強いと考えられる -
日中は上下の歯の接触状態を観察してもらい、接触させていたら離すことを常に意識してもらう
ようにしました。
ゴルフが趣味でプレー中はどうしても噛みしめてしまうとのことで、日中用のプロテクト(保護)として、
夜間とは別に日中用のマウスピースをお作りしたこともあります。
先日メインテナンス来院されましたので、全顎レントゲン写真を撮らせていただきました。

平成27年現在のレントゲン写真
初診から13年、上顎のブリッジ装着から11年経過していますが(左:初診時、右:現在の口腔内写真)、

歯周病に対する罹患度が高く、歯周病の急速な進行に(強い)咬合力が関与しているという
初診時の見立て通り、炎症と咬合のコントロールを医患協同で厳密に行ってきた結果、
装着後11年を過ぎても上顎のブリッジは良好に経過しています(初診時赤みのあった歯肉の色が
現在はうすいピンク色に変わっています)。
Hさんからは「先生は患者さんの歯を大切にするドクターだから」とお褒めの言葉をいただき
大変嬉しく思うとともに、13年間私を信頼して通ってきて下さっているHさんには本当に感謝の気持ちで
一杯です。
Hさんと私は同世代で、お互いこれから身体も老いに近づいていきますが、いつまでも健康で末永く
通ってきていただければ歯科医師冥利に尽きます。
今後も口腔健康を通して、ささやかながらHさんの幸せに貢献できますよう研鑽努力していきたいと思います。

本州では桜もあちらこちらで開花し始め、暖かい春が待ち遠しい今日この頃です。
4月は新学期、新生活の季節です。
皆様いかがお過ごしでしょうか、なえぼ駅前歯科の大村です。
私の家族も長女は新しい職場での新生活、大学生の息子3人と高校生の次女はそれぞれ新学期と、
何かと出費はかさみますが(^^; 、子供5人が皆元気であるということが親としては何よりです。
夫としては少々?頼りない私をいつも献身的に支えてくれている妻には感謝です。
なえぼ駅前歯科も今年1月から、私の歯科医師としての原点である「患者さんのために」という想いを
共有できる新スタッフとともに、院内研修会、スタッフミーティングを重ねてきました。
患者さんに対して献身的で研修意欲のある、それぞれに違った個性の素晴らしいスタッフで、
きっとそういう院内の雰囲気が自然と患者さんにも伝わっていると思います。
これからがますます楽しみです(*´∀`*)
さて本日は平成14年に当院の患者様のご紹介にて、歯周病治療を希望し来院されたHさんを
ご紹介させていただきます。
初診時40才でしたが、上顎の残存歯は局所的に高度の歯周病に罹患しており、骨破壊の状況から
歯周病に対する罹患度が高く(歯周病になりやすく)、また歯周病の急速な進行に(強い)咬合力が関与
している(炎症+咬合)タイプの患者であることが予測されました。

平成14年初診時レントゲン写真
矢印の3歯は初診時いずれも10mm以上の歯周ポケットを有し保存困難と思われましたが、
すぐには抜歯せず保存治療を試みました。
下の歯と噛まないよう歯冠部を削合して自然挺出を行い、根管治療(根の治療)と歯周基本治療
(歯周病の初期治療)を行いましたが、
上の矢印(赤)の歯は支えの骨が全く回復せずやむなく抜歯となりました。
同じく矢印(橙)の歯は下のレントゲン診査では根の先まで骨がなかった(矢印のところまで骨がない)
のですが、

この歯を抜歯してしまうと、上顎はブリッジでの対応が難しくなるため何とか保存したいと考え、
再生療法のご提案をHさんにしました。
平成16年2月、治療終了時のレントゲン写真です。

保存困難と思われた右上奥の歯(矢印)には骨の再生が認められます。
上顎は写真のような3ピースで1ユニットとなるフルブリッジを装着しました。

お入れしたブリッジができるだけ長く持つように、矢印(赤)部分の犬歯は小臼歯様の咬合面形態にし、
Ⅲ度の根分岐部病変を有する矢印(橙)の奥歯に大きな負担がかからないよう工夫すると共に

夜間の歯ぎしり、日中の噛みしめも強いため、夜間はナイトガードを毎日装着してもらうこと、

- ナイトガードの状態。 白く抜けているところが夜の間に下の歯が接触している部分で
白い抜けが大きいほど(削れ方が大きいほど)夜間の歯ぎしりが強いと考えられる -
日中は上下の歯の接触状態を観察してもらい、接触させていたら離すことを常に意識してもらう
ようにしました。
ゴルフが趣味でプレー中はどうしても噛みしめてしまうとのことで、日中用のプロテクト(保護)として、
夜間とは別に日中用のマウスピースをお作りしたこともあります。
先日メインテナンス来院されましたので、全顎レントゲン写真を撮らせていただきました。

平成27年現在のレントゲン写真
初診から13年、上顎のブリッジ装着から11年経過していますが(左:初診時、右:現在の口腔内写真)、

歯周病に対する罹患度が高く、歯周病の急速な進行に(強い)咬合力が関与しているという
初診時の見立て通り、炎症と咬合のコントロールを医患協同で厳密に行ってきた結果、
装着後11年を過ぎても上顎のブリッジは良好に経過しています(初診時赤みのあった歯肉の色が
現在はうすいピンク色に変わっています)。
Hさんからは「先生は患者さんの歯を大切にするドクターだから」とお褒めの言葉をいただき
大変嬉しく思うとともに、13年間私を信頼して通ってきて下さっているHさんには本当に感謝の気持ちで
一杯です。
Hさんと私は同世代で、お互いこれから身体も老いに近づいていきますが、いつまでも健康で末永く
通ってきていただければ歯科医師冥利に尽きます。
今後も口腔健康を通して、ささやかながらHさんの幸せに貢献できますよう研鑽努力していきたいと思います。

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