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2014.04.23

10年前に上下保険外義歯をお作りしたKさんのお話

  ゴールデンウィークを間近に控え、皆様いかがお過ごしでしょうか、
なえぼ駅前歯科の大村です。
本日は、先日治療でお見えになられた患者Kさんのお話をさせていただきます。
Kさんは平成15年、上下の義歯(入れ歯)を新しく作りたいとのことで
来院されました。

上はすでに総義歯が装着されており、下の義歯は残っていた歯が歯周病で
自然に抜けてしまったままの状態になっていました。
上下顎ともあごの骨(顎堤)が少なく、特に下顎の顎堤はひも状でえぐれた
状態になっていました。

下あごの状態
 粘膜のコンディションを整えた後の下顎顎堤の状態

Kさんのこれからの長い人生、ご自分の体の一部として快適に使用して
いただきたいとの思いから、上顎は軽くて薄い、またお食事の際に食べ物の
熱い、冷たいが良く伝わり美味しく食べられる、チタン金属床をご提案しました。

下顎は顎堤の吸収が著しいため義歯の作製が難しく、保険診療の給付内
では対応が困難なケースであったため、「良い義歯を作って差し上げたいので
保険外診療になりますが、いかがでしょうか」とお聞きしましたところ
「よろしくお願いします」と快諾をいただき、治療に着手、終了しました。

その後10年が経ち、今回右上の前歯が取れたということで、久し振りに
来院されました。まずは応急処置として人工歯を修理しました。

上顎義歯の10年後

義歯は経年的に顎堤が吸収し合わなくなってきますので、その患者さんの
吸収程度に合わせて、適時、裏は貼り直しが必要になります。
しかしながらKさんの上顎はまだしっかり吸着していましたので、
今回は破損した人工歯部分の修理と、下顎はまだ吸着はあるものの
さすがに10年以上経過していますので、裏の貼り直しをさせて
いただきました。

 下顎義歯
      貼り直した後の下顎義歯

保険外でお作りした義歯は、このように裏を貼り直したり、人工歯部分を
適時交換すれば、長く使用することができます。
初期投資としては保険の義歯に比べると確かに費用はかかりますが、
10年~20年の費用対効果を考えますと、決して高い治療費ではない
のではないかな~と思っています。

Kさんは60才で当院に来院されましたが、その後の長い人生、
日々おいしく快適に食事ができて、健康を維持していくことができる
(ゴルフがお好きで、よく噛みしめているとのこと )ということは、
まさに「食は生命の根源、咀嚼は頭脳活性の根幹」ではないかと思っています。

今回修理した義歯をこれから先も長く大切にしていただき、
健康のためにもゴルフ、ますます頑張っていただきたいと思います 

2011年10月のブログに、 「よく噛めることは楽しく生きること~精密義歯(入れ歯)~」
という記事が掲載されておりますので、こちらの方も合わせてご一読下さい。
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Posted at 16:41 | 精密義歯 | COM(0) | TB(0) |
2014.04.21

矯正を併用した全顎治療を行ったTさんの17年後

  4月も半ばを過ぎ、日差しの暖かな日が続く今日この頃です。
皆様いかがお過ごしでしょうか、なえぼ駅前歯科の大村です。
3月、4月は私自身、病院のこと、家族のこと、いろいろなことが重なって
いつにも増して忙しくしていました 70P700709_DCE_20120929151902.gif

歯科医の持病でもある肩こり、頭痛、腰痛がひどく
先週思い切って苗穂駅前の蔵の湯でゆっくり入浴&マッサージを受けました。
マッサージ、気持ち良かった~ 。
施術してくれた方のいろいろなアドバイスを聞いて、また肩と首は全く痛みを
感じないほどガチガチになっていたので、これからはもう少し自分の体を労って
月に1回でも2回でも、マッサージなどで体のリラキゼーションを図らなければと
思いました。

5月5日の豊平川マラソンに向けて少しでも体を動かさなければと、今日から
少しずつ無理せず(あと2週間だぞ~っと!)、ランニング通勤(自宅から病院まで
約8km)をしようと思います。
昨日はスポーツ店で上下ランニング用のウィンドブレーカーも買いました。
あとは走るだけで~~す(笑)。

さて本日は、先日メインテナンス来院されたTさんのお話をさせていただきます。
Tさんは17年前の平成9年、当院に来院されました。
全体的な治療を希望され、また前歯の審美障害(反対咬合)もお持ちでした。
矯正治療は矯正医の友人にお願いしました。
矯正治療時の写真と矯正治療後の写真です。

矯正治療前後

上顎の前歯2本の治療は矯正をお願いした友人のところで行い、私は上下左右臼歯部
の治療を平成12年に行って治療終了となりました。

平成18年には左上奥の歯に歯根破折を認め接着処置を行っていますが、その後は
8年、現在まで良好に経過しています
今であれば左上奥の歯のないところには、インプラントをご提案していると思うのですが、
Tさんは40代後半に当院に来院された時、すでに奥2本を抜歯されて10年以上経って
おり、左側でもあまり不自由なくお食事もされているとのことでした。

日常生活に不自由はなく、また治療終了後14年、前述した1本を除くすべての歯、冠、
ブリッジも再治療なく良好に経過していますので、現在もそのままの状態でメインテナンスを
継続しています。
初診から17年、治療終了から14年経った現在の状態です。

 治療終了14年後の現在

40代、50代、60代をきれいな歯並びで、1歯も抜歯になることなく年を重ねる
ことができ、治療に満足されているTさん。
当時まだ30代半ばであった私が、当時としては一生懸命Tさんのためにと行った
治療が、今このような形で喜んでいただけていることは、本当に嬉しいことです。
矯正もご提案して本当に良かった 

歯は治療を繰り返すほど、条件が悪くなり抜歯に至るリスクが高くなります。
最初にしっかりとした治療を行い、その後の適切なメインテナンスを継続することで、
結果、長期に渡り再治療なく歯も残っていくと私は考え実践しています。

また治療の難しい歯だからこそ、最善を尽くして保存に努めます 
抜いてしまうと次の抜歯予備軍が待っており、抜歯の連鎖を引き起こすリスクが
高くなるからです。
Tさんの左上奥の歯も「破折したから抜歯」とは絶対になりません!

患者さんにとって唯一無二のご自分の歯を今後もこだわって残していきたいと思っています。
Tさん、お互い健康で今後も末永くお付き合い下さい。
よろしくお願いします。

すみれ

最後になりましたが 、前回のブログでお伝えしました「折れた歯、割れた歯を救う
破折歯接着保存治療」の市民フォーラムが、いよいよ今週4月27日(日)(14:00~16:00、
札幌市産業振興センター)と迫りました。
当日は勿論私も出席しますがぜひ一度ご参加いただき、ご自分の大切な歯や歯の治療に関して
ご理解を深めていただければと思います。

市民フォーラムのご案内