2011.09.21
本当は怖い歯周病
こんにちは、なえぼ駅前歯科の大村です。
台風15号、いよいよ明日北海道上陸です。皆様くれぐれもご用心下さい。
今日は「本当は怖い歯周病」というお話をさせていただきます。
歯周病は「歯がぐらぐらする」「歯ぐきが腫れた」「口臭がする」などいろいろな症状を
引き起こしますが、実は「歯を支えている骨が溶ける」病気なのです。
また中高年の歯を失う一番の原因で、症状は40~50才以降に現れることが多いのですが、
実は30才くらいから静かに進行しています。そのためSilent Disease(静かなる病気)とも
言われています。
口の中には約500種類の細菌がいますが、体にとって有害な細菌は肛門よりも口の方が多い
と言われています。その中でも歯周病により歯ぐきで増殖した歯周病菌(10~20種類、
歯周病になると1000倍~というようなオーダーで増えると言われています)は、血液を通して
全身に運ばれさまざまな全身疾患に影響を及ぼします。
特に最近の研究で、心筋梗塞、糖尿病、ガンのリスクを2~4倍高めることがわかってきています。
他にも骨粗しょう症、低体重児出産、早産、動脈硬化、肺炎、
腎炎、関節炎、胃潰瘍、敗血症、心内膜炎、皮膚炎、肋間神経痛、三叉神経痛、バージャー病
などとの関連性が示唆されています。
歯周病は歯だけにとどまらず、命さえもおびやかすといわれるのはそのためです。
私が以前担当していた患者さんに、20代後半で糖尿病をもった女性の患者さんがおられました。
20代ですでに歯周病がありましたので、ブラッシングやスケーリング(歯石除去)を
行いましたが、その後来院されず4年後に再来院されました。

初診時


4年後

4年後の歯ぐきの状態
たった4年の間に、まだ30代前半というのに、支えている骨はさらに減少し動揺が増していました。
あらためて歯周病治療をお勧めすると共に、お体の方もお聞きしたところ
仕事が忙しくストレス続きで、内科は受診しているものの血糖値は高いという話をされていました。
少し体もふっくらされていましたので、まずはお体を大切にして下さいとお話ししました。
それと共に歯周病を改善すると糖尿病も改善される、また糖尿病が
改善されると歯周病も改善される、お互い密接な相乗効果があることもお話ししました。
しかしながらその後この患者さんは二度と来院されませんでした。
そう、それから7年後にお亡くなりになられたのです(心よりご冥福をお祈りします)。
歯周病になった歯ぐきの総面積は手のひら以上になります。
そこで通常の1000倍以上の体に有害な細菌が増殖されて全身にばらまかれているのですから・・・
「歯周病は万病のもと」ですし、「歯は健康のバロメーター」です。
皆さんも「体の健康はまず歯から」ぜひ実践して下さい!
定期的なメインテナンス(歯が悪くなくても歯科医院できれいにしてもらうこと)がとても大切です!
台風15号、いよいよ明日北海道上陸です。皆様くれぐれもご用心下さい。
今日は「本当は怖い歯周病」というお話をさせていただきます。
歯周病は「歯がぐらぐらする」「歯ぐきが腫れた」「口臭がする」などいろいろな症状を
引き起こしますが、実は「歯を支えている骨が溶ける」病気なのです。
また中高年の歯を失う一番の原因で、症状は40~50才以降に現れることが多いのですが、
実は30才くらいから静かに進行しています。そのためSilent Disease(静かなる病気)とも
言われています。
口の中には約500種類の細菌がいますが、体にとって有害な細菌は肛門よりも口の方が多い
と言われています。その中でも歯周病により歯ぐきで増殖した歯周病菌(10~20種類、
歯周病になると1000倍~というようなオーダーで増えると言われています)は、血液を通して
全身に運ばれさまざまな全身疾患に影響を及ぼします。
特に最近の研究で、心筋梗塞、糖尿病、ガンのリスクを2~4倍高めることがわかってきています。
他にも骨粗しょう症、低体重児出産、早産、動脈硬化、肺炎、
腎炎、関節炎、胃潰瘍、敗血症、心内膜炎、皮膚炎、肋間神経痛、三叉神経痛、バージャー病
などとの関連性が示唆されています。
歯周病は歯だけにとどまらず、命さえもおびやかすといわれるのはそのためです。
私が以前担当していた患者さんに、20代後半で糖尿病をもった女性の患者さんがおられました。
20代ですでに歯周病がありましたので、ブラッシングやスケーリング(歯石除去)を
行いましたが、その後来院されず4年後に再来院されました。

初診時


4年後

4年後の歯ぐきの状態
たった4年の間に、まだ30代前半というのに、支えている骨はさらに減少し動揺が増していました。
あらためて歯周病治療をお勧めすると共に、お体の方もお聞きしたところ
仕事が忙しくストレス続きで、内科は受診しているものの血糖値は高いという話をされていました。
少し体もふっくらされていましたので、まずはお体を大切にして下さいとお話ししました。
それと共に歯周病を改善すると糖尿病も改善される、また糖尿病が
改善されると歯周病も改善される、お互い密接な相乗効果があることもお話ししました。
しかしながらその後この患者さんは二度と来院されませんでした。
そう、それから7年後にお亡くなりになられたのです(心よりご冥福をお祈りします)。
歯周病になった歯ぐきの総面積は手のひら以上になります。
そこで通常の1000倍以上の体に有害な細菌が増殖されて全身にばらまかれているのですから・・・

「歯周病は万病のもと」ですし、「歯は健康のバロメーター」です。
皆さんも「体の健康はまず歯から」ぜひ実践して下さい!
定期的なメインテナンス(歯が悪くなくても歯科医院できれいにしてもらうこと)がとても大切です!
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2011.09.20
不適切な根管治療が引き起こしていた原因不明の痛み
秋の行楽シーズンを迎えましたが、あいにくの悪天候続きですね 

皆様いかがお過ごしですか? なえぼ駅前歯科の大村です。
今日は6年前に来院された患者さん(当時60才、女性)のお話をさせていただきます。
15年前(45才くらい)から冬の寒い時期になると、突然上下のあご、歯ぐきのあたりが
痛むようになり、長い時には20分くらい痛みが持続することもあるため、恐怖で冬場は長年
マスクを装着しているとのことでした。また痛み止めをいつも持ち歩いているとのことでした。
最近は極端に熱いもの(ラーメン、そばなど)を食べた時にも痛むようになってきているが、
暖かい時期にはほとんど痛みを感じることはないとのことでした。
これまでは2~3年おきに歯科治療を繰り返しており、1年前にも治療を受けている。
冠が入っているところは何度も治療をして被せなおしているとのことでした。
これまで繰り返されてきた治療に問題が多く見られ、確証はありませんでしたが
不適切な根管治療(根の治療)が痛みを引き起こしている可能性を疑いました。

それとともに一応三叉神経痛も疑い、口腔外科を紹介しました。
口腔外科から脳神経外科を紹介され精査しましたが確定診断には至らず、
痛み止めが効くうちは対症療法で経過観察しましょうということになりました。

1年かけて全顎の治療を終了し(平成18年5月)、その年の冬には痛み止めを二度処方
しましたが、その後現在に至るまでの4シーズン、冬場に全く痛みが出現しなくなりました。
私が言うのもなんですが
、 不思議ですね。
治療が終了してから痛みが消失するまでに1年くらいかかったということも勉強になりました。
それにしても15年間、よく我慢されていたと思います。どうしたら良くなるのか、どこを受診したら
よいのかわからなかったのかもしれませんね。
ちなみに治療終了から現在まで5年4ヵ月、あれほど再治療を繰り返していた口腔内
でしたが、一個所の再治療もなく歯ぐきも健康で、患者さんは快適に過ごされています
(4~6ヵ月ごとの定期検診を継続中です)。

最初に時間をかけた丁寧な治療を行い、その後メインテナンスを継続する。
そうすることでできるだけ長期に渡り再治療をしないことが、歯を守る一番の方法
であると、長年の臨床を通して確信している次第です


皆様いかがお過ごしですか? なえぼ駅前歯科の大村です。
今日は6年前に来院された患者さん(当時60才、女性)のお話をさせていただきます。
15年前(45才くらい)から冬の寒い時期になると、突然上下のあご、歯ぐきのあたりが
痛むようになり、長い時には20分くらい痛みが持続することもあるため、恐怖で冬場は長年
マスクを装着しているとのことでした。また痛み止めをいつも持ち歩いているとのことでした。
最近は極端に熱いもの(ラーメン、そばなど)を食べた時にも痛むようになってきているが、
暖かい時期にはほとんど痛みを感じることはないとのことでした。
これまでは2~3年おきに歯科治療を繰り返しており、1年前にも治療を受けている。
冠が入っているところは何度も治療をして被せなおしているとのことでした。
これまで繰り返されてきた治療に問題が多く見られ、確証はありませんでしたが
不適切な根管治療(根の治療)が痛みを引き起こしている可能性を疑いました。

それとともに一応三叉神経痛も疑い、口腔外科を紹介しました。
口腔外科から脳神経外科を紹介され精査しましたが確定診断には至らず、
痛み止めが効くうちは対症療法で経過観察しましょうということになりました。

1年かけて全顎の治療を終了し(平成18年5月)、その年の冬には痛み止めを二度処方
しましたが、その後現在に至るまでの4シーズン、冬場に全く痛みが出現しなくなりました。
私が言うのもなんですが

治療が終了してから痛みが消失するまでに1年くらいかかったということも勉強になりました。
それにしても15年間、よく我慢されていたと思います。どうしたら良くなるのか、どこを受診したら
よいのかわからなかったのかもしれませんね。
ちなみに治療終了から現在まで5年4ヵ月、あれほど再治療を繰り返していた口腔内
でしたが、一個所の再治療もなく歯ぐきも健康で、患者さんは快適に過ごされています

(4~6ヵ月ごとの定期検診を継続中です)。

最初に時間をかけた丁寧な治療を行い、その後メインテナンスを継続する。
そうすることでできるだけ長期に渡り再治療をしないことが、歯を守る一番の方法
であると、長年の臨床を通して確信している次第です

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