2016.03.14
コンフォート義歯(生体用シリコーン裏装義歯)~97才Kさんのケース~
今日は春らしい日差しの暖かな朝ですね。
皆様いかがお過ごしでしょうか、なえぼ駅前歯科の大村です。
3月に入って降り続いた雪もそろそろ終息に向かっているのではないかと思います。
春が待ち遠しいですね(*´∀`*)
本日は今月もうすぐ97才になられるKさんが現在装着しているコンフォート義歯
(生体シリコーン裏装義歯)についてお話をさせていただきます。
通常、総義歯(総入れ歯)というと、金属床義歯(薄くて丈夫な適合の良い金属義歯)
あるいはレジン床義歯(保険対応のプラスチック義歯)を思い浮かべる方が多いと思うのですが、
コンフォート義歯(comfort:楽にする、痛みを和らげる、元気づけるの意)は、
義歯の裏側に柔らかいクッション性のある生体用シリコーンを用いた義歯です。
裏側に柔らかいシリコーン素材を用いることで、
① クッションの作用で義歯の痛みを緩和します
② 柔らかい材料の把持力で入れ歯が安定します
③ クッションの作用でレジン床義歯に比べて約2倍の咬合力を発揮できます
その結果、
・「噛める、噛み切れる」ようになった
・噛む時に痛くなくなった
・入れ歯が動かず安定するようになった という報告が多くなされています。
Kさんの場合、80才で当院に来院され、上下に総義歯(上顎3歯、下顎1歯残存)を
装着されました。
88才時、下顎はシリコーン裏装義歯に変え、その後痛みもなく、毎日快適に義歯を
使用されていましたが、8年経って部分的に剥がれが生じたため、今回96才でコンフォート
義歯へ貼り替えることにしました。
当院ではコンフォート義歯への貼り替えは、18万円(税別)の治療代がかかりますが、
保険義歯(数千円のご負担額)に比べて、ぴたっと合って痛みもなく、快適に食事ができる
日々の生活を考えますと、かかる治療代が高いのか安いのかは患者さんご自身の考え方
次第と思いますが、仮に5年使用と考えても(実際、Kさんの場合は8年で貼り替えとなりました)、
毎月3,000円くらいの投資ですので、決して高い買い物ではないのではないかな~と、
私は思っています
ちなみに義歯からの作製の場合は、総額33万円(片顎レジン床義歯、税別)
となりますのでご了承ください
旧義歯の問題点を精査し、患者さんのご希望を良く伺い、改善していきながら
適合の良い、患者さんが満足する新義歯を作製する作業は簡単ではありません。
Kさんの場合は、上顎は16年前に作製した義歯を、一度も貼り替えることなく
体の一部のように現在も使用されており、下顎義歯も8年前に作製した義歯は
まだまだ適合も良く、使用可能でしたので今回貼り替えのみを行いました。

Kさんの上下総義歯(上顎は16年前に作製)

下顎コンフォート義歯(裏側全体に生体シリコーン(白い部分)が貼られています)
手前味噌ではありますが(^^; 、良い義歯には良い義歯の形というものがありぴたっと吸着します。
コンフォート義歯の作製はSデンタルさん(技工所)にお願いし、セット時もセット後も勿論、無調整です
このままお元気に100歳まで私が作製した義歯を使用していただければこれに勝る喜びはありません。
Kさん、これからもお元気で、16年間1本も抜歯になっていない4本の残存歯のメインテナンスに
きていただけることを楽しみにしています。

皆様いかがお過ごしでしょうか、なえぼ駅前歯科の大村です。
3月に入って降り続いた雪もそろそろ終息に向かっているのではないかと思います。
春が待ち遠しいですね(*´∀`*)
本日は今月もうすぐ97才になられるKさんが現在装着しているコンフォート義歯
(生体シリコーン裏装義歯)についてお話をさせていただきます。
通常、総義歯(総入れ歯)というと、金属床義歯(薄くて丈夫な適合の良い金属義歯)
あるいはレジン床義歯(保険対応のプラスチック義歯)を思い浮かべる方が多いと思うのですが、
コンフォート義歯(comfort:楽にする、痛みを和らげる、元気づけるの意)は、
義歯の裏側に柔らかいクッション性のある生体用シリコーンを用いた義歯です。
裏側に柔らかいシリコーン素材を用いることで、
① クッションの作用で義歯の痛みを緩和します
② 柔らかい材料の把持力で入れ歯が安定します
③ クッションの作用でレジン床義歯に比べて約2倍の咬合力を発揮できます
その結果、
・「噛める、噛み切れる」ようになった
・噛む時に痛くなくなった
・入れ歯が動かず安定するようになった という報告が多くなされています。
Kさんの場合、80才で当院に来院され、上下に総義歯(上顎3歯、下顎1歯残存)を
装着されました。
88才時、下顎はシリコーン裏装義歯に変え、その後痛みもなく、毎日快適に義歯を
使用されていましたが、8年経って部分的に剥がれが生じたため、今回96才でコンフォート
義歯へ貼り替えることにしました。
当院ではコンフォート義歯への貼り替えは、18万円(税別)の治療代がかかりますが、
保険義歯(数千円のご負担額)に比べて、ぴたっと合って痛みもなく、快適に食事ができる
日々の生活を考えますと、かかる治療代が高いのか安いのかは患者さんご自身の考え方
次第と思いますが、仮に5年使用と考えても(実際、Kさんの場合は8年で貼り替えとなりました)、
毎月3,000円くらいの投資ですので、決して高い買い物ではないのではないかな~と、
私は思っています

ちなみに義歯からの作製の場合は、総額33万円(片顎レジン床義歯、税別)
となりますのでご了承ください

旧義歯の問題点を精査し、患者さんのご希望を良く伺い、改善していきながら
適合の良い、患者さんが満足する新義歯を作製する作業は簡単ではありません。
Kさんの場合は、上顎は16年前に作製した義歯を、一度も貼り替えることなく
体の一部のように現在も使用されており、下顎義歯も8年前に作製した義歯は
まだまだ適合も良く、使用可能でしたので今回貼り替えのみを行いました。

Kさんの上下総義歯(上顎は16年前に作製)

下顎コンフォート義歯(裏側全体に生体シリコーン(白い部分)が貼られています)
手前味噌ではありますが(^^; 、良い義歯には良い義歯の形というものがありぴたっと吸着します。
コンフォート義歯の作製はSデンタルさん(技工所)にお願いし、セット時もセット後も勿論、無調整です

このままお元気に100歳まで私が作製した義歯を使用していただければこれに勝る喜びはありません。
Kさん、これからもお元気で、16年間1本も抜歯になっていない4本の残存歯のメインテナンスに
きていただけることを楽しみにしています。

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2014.04.23
10年前に上下保険外義歯をお作りしたKさんのお話
ゴールデンウィークを間近に控え、皆様いかがお過ごしでしょうか、
なえぼ駅前歯科の大村です。
本日は、先日治療でお見えになられた患者Kさんのお話をさせていただきます。
Kさんは平成15年、上下の義歯(入れ歯)を新しく作りたいとのことで
来院されました。
上はすでに総義歯が装着されており、下の義歯は残っていた歯が歯周病で
自然に抜けてしまったままの状態になっていました。
上下顎ともあごの骨(顎堤)が少なく、特に下顎の顎堤はひも状でえぐれた
状態になっていました。

粘膜のコンディションを整えた後の下顎顎堤の状態
Kさんのこれからの長い人生、ご自分の体の一部として快適に使用して
いただきたいとの思いから、上顎は軽くて薄い、またお食事の際に食べ物の
熱い、冷たいが良く伝わり美味しく食べられる、チタン金属床をご提案しました。
下顎は顎堤の吸収が著しいため義歯の作製が難しく、保険診療の給付内
では対応が困難なケースであったため、「良い義歯を作って差し上げたいので
保険外診療になりますが、いかがでしょうか」とお聞きしましたところ
「よろしくお願いします」と快諾をいただき、治療に着手、終了しました。
その後10年が経ち、今回右上の前歯が取れたということで、久し振りに
来院されました。まずは応急処置として人工歯を修理しました。

義歯は経年的に顎堤が吸収し合わなくなってきますので、その患者さんの
吸収程度に合わせて、適時、裏は貼り直しが必要になります。
しかしながらKさんの上顎はまだしっかり吸着していましたので、
今回は破損した人工歯部分の修理と、下顎はまだ吸着はあるものの
さすがに10年以上経過していますので、裏の貼り直しをさせて
いただきました。

貼り直した後の下顎義歯
保険外でお作りした義歯は、このように裏を貼り直したり、人工歯部分を
適時交換すれば、長く使用することができます。
初期投資としては保険の義歯に比べると確かに費用はかかりますが、
10年~20年の費用対効果を考えますと、決して高い治療費ではない
のではないかな~と思っています。
Kさんは60才で当院に来院されましたが、その後の長い人生、
日々おいしく快適に食事ができて、健康を維持していくことができる
(ゴルフがお好きで、よく噛みしめているとのこと
)ということは、
まさに「食は生命の根源、咀嚼は頭脳活性の根幹」ではないかと思っています。
今回修理した義歯をこれから先も長く大切にしていただき、
健康のためにもゴルフ、ますます頑張っていただきたいと思います
2011年10月のブログに、 「よく噛めることは楽しく生きること~精密義歯(入れ歯)~」
という記事が掲載されておりますので、こちらの方も合わせてご一読下さい。
なえぼ駅前歯科の大村です。
本日は、先日治療でお見えになられた患者Kさんのお話をさせていただきます。
Kさんは平成15年、上下の義歯(入れ歯)を新しく作りたいとのことで
来院されました。
上はすでに総義歯が装着されており、下の義歯は残っていた歯が歯周病で
自然に抜けてしまったままの状態になっていました。
上下顎ともあごの骨(顎堤)が少なく、特に下顎の顎堤はひも状でえぐれた
状態になっていました。

粘膜のコンディションを整えた後の下顎顎堤の状態
Kさんのこれからの長い人生、ご自分の体の一部として快適に使用して
いただきたいとの思いから、上顎は軽くて薄い、またお食事の際に食べ物の
熱い、冷たいが良く伝わり美味しく食べられる、チタン金属床をご提案しました。
下顎は顎堤の吸収が著しいため義歯の作製が難しく、保険診療の給付内
では対応が困難なケースであったため、「良い義歯を作って差し上げたいので
保険外診療になりますが、いかがでしょうか」とお聞きしましたところ
「よろしくお願いします」と快諾をいただき、治療に着手、終了しました。
その後10年が経ち、今回右上の前歯が取れたということで、久し振りに
来院されました。まずは応急処置として人工歯を修理しました。

義歯は経年的に顎堤が吸収し合わなくなってきますので、その患者さんの
吸収程度に合わせて、適時、裏は貼り直しが必要になります。
しかしながらKさんの上顎はまだしっかり吸着していましたので、
今回は破損した人工歯部分の修理と、下顎はまだ吸着はあるものの
さすがに10年以上経過していますので、裏の貼り直しをさせて
いただきました。

貼り直した後の下顎義歯
保険外でお作りした義歯は、このように裏を貼り直したり、人工歯部分を
適時交換すれば、長く使用することができます。
初期投資としては保険の義歯に比べると確かに費用はかかりますが、
10年~20年の費用対効果を考えますと、決して高い治療費ではない
のではないかな~と思っています。
Kさんは60才で当院に来院されましたが、その後の長い人生、
日々おいしく快適に食事ができて、健康を維持していくことができる
(ゴルフがお好きで、よく噛みしめているとのこと

まさに「食は生命の根源、咀嚼は頭脳活性の根幹」ではないかと思っています。
今回修理した義歯をこれから先も長く大切にしていただき、
健康のためにもゴルフ、ますます頑張っていただきたいと思います

2011年10月のブログに、 「よく噛めることは楽しく生きること~精密義歯(入れ歯)~」
という記事が掲載されておりますので、こちらの方も合わせてご一読下さい。
2011.10.10
よく噛めることは楽しく生きること~精密義歯(入れ歯)~
昨日は日中20度を越える暖かな小春日和の一日でした。
この前の寒さが嘘のようですね。なえぼ駅前歯科の大村です。
本日は精密義歯(入れ歯)についてお話しさせていただきます。
私専門は歯周病治療ですが、実は大学卒業後、しばらく母校の
補綴科(冠や入れ歯、かみあわせを専門とする科)に在籍していました。
これからの高齢化社会、歯をすでに失ってしまった患者さんのためにいい入れ歯を
作って差しあげたいと考えていたからです。
13年前、開業して間もない頃に私が作った患者S.T.さんの上下総義歯です。
当時はまだこのように自分が作った義歯の写真を記録していました。
丁寧に作った義歯には、いい義歯の形というものがあります。
上下ともピタッと吸着していました。


9年前に下だけリベース(義歯の内面を貼り直す作業)を行い、現在77才(初診時64才、男性)
になられますが、現在まで無調整にて経過しています(上は13年前のまま)。
最近お見えになられていませんが、定期検診に来られている奥様から「調子は良いようよ」と
お褒めの言葉をいただいています

リベース後の下総義歯
また患者M.T.さん(初診時82才、女性)は、今まで一度も満足に義歯を使えたことが
なく、数ヵ月前にも上下義歯を新製している(落ちる、痛い、噛めない、ゆるい)という
ことで、宮の森から毎回タクシーで娘さんとご一緒に来院されました。
初診時には娘さんに抱えられながら暗い表情で(少し鬱もありました)診療台に座っていたのが
噛めるようになってからは一人で歩いて診療室に入ってこられるようになり、顔色も良くなって笑顔が
絶えなくなりました。初診時から6キロ太って「食事がおいしくて
」と言われると、本当に歯科医師
冥利に尽きます

上金属床義歯

下磁石アタッチメント義歯

82才の治療終了後から年々むしろお元気になっていく姿をみて、噛めるということが生きる力を
与えてくれているのだな~と実感しているケースです。
87才になった現在も、お元気で定期検診に来院されています。
この前の寒さが嘘のようですね。なえぼ駅前歯科の大村です。
本日は精密義歯(入れ歯)についてお話しさせていただきます。
私専門は歯周病治療ですが、実は大学卒業後、しばらく母校の
補綴科(冠や入れ歯、かみあわせを専門とする科)に在籍していました。
これからの高齢化社会、歯をすでに失ってしまった患者さんのためにいい入れ歯を
作って差しあげたいと考えていたからです。
13年前、開業して間もない頃に私が作った患者S.T.さんの上下総義歯です。
当時はまだこのように自分が作った義歯の写真を記録していました。
丁寧に作った義歯には、いい義歯の形というものがあります。
上下ともピタッと吸着していました。


9年前に下だけリベース(義歯の内面を貼り直す作業)を行い、現在77才(初診時64才、男性)
になられますが、現在まで無調整にて経過しています(上は13年前のまま)。
最近お見えになられていませんが、定期検診に来られている奥様から「調子は良いようよ」と
お褒めの言葉をいただいています


リベース後の下総義歯
また患者M.T.さん(初診時82才、女性)は、今まで一度も満足に義歯を使えたことが
なく、数ヵ月前にも上下義歯を新製している(落ちる、痛い、噛めない、ゆるい)という
ことで、宮の森から毎回タクシーで娘さんとご一緒に来院されました。
初診時には娘さんに抱えられながら暗い表情で(少し鬱もありました)診療台に座っていたのが

噛めるようになってからは一人で歩いて診療室に入ってこられるようになり、顔色も良くなって笑顔が
絶えなくなりました。初診時から6キロ太って「食事がおいしくて

冥利に尽きます


上金属床義歯

下磁石アタッチメント義歯

82才の治療終了後から年々むしろお元気になっていく姿をみて、噛めるということが生きる力を
与えてくれているのだな~と実感しているケースです。
87才になった現在も、お元気で定期検診に来院されています。

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